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【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】

第9章 ◎偽りの彼女お願いします


「…………国見、よく教えたな」

 金田一がそっと聞くと、国見は顔を上げながら言う。
 死んだ顔とはまさに国見の事を言う、と言う状況だ。

「……一日……チューチュートレインされてみろよ……」
「……変な動きしてるとは思ったけど、お前の連絡先聞き出す為だったのか」

 朝から朔夜がしつこく国見の周りをうろ付き、円を描く様な動きをしていた事は皆知っている。
 知っていると言うか視界に入っていた。
 だがそれがまさか連絡先を聞き出しているとは、誰も思っていなかったのだ。

「スタンプ爆だぁ〜彼女聞き出すどー!」
「……あんな事、言ってるぞ?国見」
「……即ブロックしたい」
「ブロックしたら教室まで行くからなぁー」
「……しないから、止めろ」

 この合宿だけで開放されると思い込んでいた国見にとって、この連絡先交換は地獄の始まりでしかなかった。





(思ったよりもLINE送られてこないな)

 昼休み、鳴らないスマホを眺めながら国見はそんな事を考えていた。
 確かに連絡先を交換した直後は、勝手に作っていたバレー男子(一年)と言うグループに強制的に入らされた。
 かと言って互いが互いに親しい仲ではないので、グループチャットは鳴る事がほぼ無かった。
 そして、朔夜が連絡先を交換したのは国見だけではないので、予想外に嫌がらせLINEが来なかったのだ。

(来ないに越したことはない)

 変に絡まれたくないし、と自販機に何か買いに行こうかと立ち上がるとピロン、とLINEの通知音が。
 画面を見ると田中ゴンザレス、と言う表記名が出ていた。

(本当に田中ゴンザレス誰だよ……)

 朔夜の登録名が意味が分から無さすぎて、つっこむ気力も起こらない。
 無視するとスタンプ爆弾されるので、既読スルーしようと送られてきた内容を見て、顔が引き攣った。

『青葉城西行く用事出来たから、くにみんの彼女見に行く〜!』

 マズイ事になった、と国見はスマホを握り締めながら思っていた。





 国見が面倒で朔夜送った彼女像は以下だ。


 黒髪、小柄、清楚、大人しい、オタクじゃない、空気が読める、何処かの馬鹿とは真逆。


 それ全てに当てはまる人物を、放課後までの限られた時間までに見つけなければならない。
 そして仕方ないが事情を話して、偽彼女を演じてもらわなければならない。
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