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【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】

第9章 ◎偽りの彼女お願いします


 一応影山は彼女がいるのだから、あんな顔をしているのならば嫌である。
 だが、そんな事は今はどうでもいい。
 今の最優先事項はこの面倒の塊である朔夜を追い払う事である。
 彼女はいないが、いると言えば諦めるかもしれない。
 そう思ったのでサラリと答えてみた。

「見せないけど、いる」
「えっ !? 」

 朔夜より先に反応した金田一を無言で睨み付ける。
 黙っていろ、と言うオーラを含めて。

「み……」
「せない」

 言う権利も与えずに、言葉を重ね国見は足早に去っていってしまう。
 その姿を朔夜はぷぅ、と頬を膨らませながら見ていた。

「海野さん大丈夫っスか?」

 少し離れた所から見ていた黄金川が近寄り、声を掛けてきた。
 国見の姿を見つつ、黄金川は言う。

「国見、付き合い悪いよな」
「なー」
「海野さん色々やってくれてるのに。金田一、国見って何時もあんな感じ?」

 黄金川からの質問に、金田一は目を泳がせながら言う。

「あー……まぁ、そう、だなぁ」

 国見がドライな性格なのは中学からの付き合いなので、知っている。
 後不用意に構われる事を嫌っている事を。
 そして、朔夜が影山の彼女、と言う国見と金田一にとってなんとも言い難い立場の人間であると言う事実を。

(後は純粋に国見が嫌いなタイプなんだよな……コイツ)
「こがねんやさすぃー!」
「そ、そうっスか?」
「背も高ーい!かこいー!」
「えへへ」

 褒められてデレデレしている黄金川の姿を金田一は溜息付いてから、国見の方を見ると滅茶苦茶見られていた。
 嫌悪感満載の表情で。

(何で俺、板挟みの状態になってるんだ……)

 はぁ、と止まらない溜息をもう何回付いたのか、金田一はもう覚えていなかった。





「ウェーイ!くにみんの連絡先げっちゅー!」

 合宿最終日前日、ぐったりとしている国見と上機嫌な朔夜の姿に、日向は駆け寄ってきて尋ねていた。

「え?海野さん、国見のメアドゲットしたの?いーなー」
「メアドじゃなくて、LINEIDやでぇ。くにみんスマホだったから」

 よく分かっていなさそうだか、日向は朔夜のスマホを見ながら楽しそうにしている。
 そんな二人の隣でぐったりしている国見と、月島は目が合ってしまった。
 互いに通じる何かがあるのか、アイキャッチだけで会話をして頷きあっている。
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