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【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】

第9章 ◎偽りの彼女お願いします


 国見英にとって、一番理解不能で、関わりたくない存在となった女が一人、いる。
 初対面の時から何やら普通じゃない雰囲気を纏っていたが、接触をしてそれは確定事項になった。

「くにみーん!」
「……げ」

 宮城一年擬似ユース合宿。そこに呼ばれていないのに現れた日向翔陽。
 そして、その日向と共に現れたのが海野朔夜。
 ビデオカメラ片手にドヤ顔でスパイです、と言った変人だ。
 そしてその変人はかつてチームメイトだった影山飛雄の彼女である。
 過去の確執を知っても本人には関係無いのか、それともただの性格なのか、グイグイ来る。
 正直嫌がらせに近いと言わざるを得ない。
 同じチームメイトである金田一はその勢いに既に飲まれて負けている。
 別に金田一に対して期待をしていた訳ではないが、落とされるのが早過ぎる。
 兎に角、国見にとって朔夜は未知の存在であり、関わって欲しくない。
 それなのに、向こうは意味も無く声をかけてくるのだからストレスだった。



偽りの彼女お願いします



「くーにみん、くーにみん」

 サササッと近寄り、勝手に付けられたあだ名を呼ばれる。
 無視をしてもめげないし、無視を続けていると周りに言われる。
 周り落ちるの早いにも程があるだろう、と眉間に深々と皺を刻みながら見下すと、朔夜はドヤ顔で言ってきた。

「残念ながら、くにみんの見下し顔にドキがムネムネする私ではない!飛雄たんだからいいのだ!」
「……何も言ってない、聞いてない」

 溜息を付いていると、金田一がそっと近付いてきて朔夜に声をかける。

「国見、お前の事、好きじゃねーんだよ」
「知ってるぅー!全身から溢れる嫌顔!ドイヒー!」

 キャッキャと笑う姿に嫌悪感すら感じる。
 何とかしてこの地雷女を追い払いたい。そんな事を国見が考えていると、朔夜が尋ねてきたのだ。

「じゃあくにみんが好きなタイプの女の子ってどんな感じなん?」
「君以外の女の子」
「私ドンピシャー!アチャー!こりゃあ照れる!」

 嫌いだとハッキリ言ってもこの反応だ。
 本気で嫌だと言えば止めてくれるらしい。今はあくまでもからかっている、らしいので。

「くにみんのタイプの女の子見てみたーい!くにみん彼女いないの?絶対彼女いそうな顔してるのに」

 彼女いそうな顔とはどんな顔だ、と国見は思った。
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