【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第3章 二次元オタクは童貞を殺したいらしい
影山の自室、ベッドの上に正座をして向かい合っている。
二人の間には童貞を殺すセーターが置かれている状態だ。
「飛雄たん……」
「嫌だ」
「わーん!」
「泣き落としも今回は効かないからな!」
影山の言葉に朔夜はぷぅっと頬を膨らませて、睨み付けた。
今回はやけに引かないと、影山は困っていた。
どうしてここまで着て欲しいのか、本当に理解が出来ない。
似合うならば分かるが、今回はどう考えても似合わないのだから。
「…………はぁ〜〜」
「ぶぅ」
上目遣いをされて、ついドキッとしてしまったが、ここで許してしまったら着なければならないので、それは断固拒否である。
その姿勢を崩さずにいると、朔夜はため息を付きながらに言う。
「……飛雄たんの為に買ったのに」
ポツリ、と言うのだから影山は悶えてしまう。
朔夜を甘やかしてはいけない、何でも要求を飲んだら調子に乗ってしまうから、甘やかせない。
だが、朔夜が悲しそうにしていると、要望に応じたくなってしまう。
しかし、プライド等がこの服を全力で拒絶している。
男としてこれを着たら終わりだと本能が告げている。
「…………飛雄」
キュッと服の裾を掴みながら呼び捨てされた。
「あ〜〜〜〜っ!」
影山が呼び捨てされる事に弱いのも、朔夜は熟知済みでやってきた。
上目遣いの呼び捨てお強請りに、影山が折れそうになっている、と判断した朔夜は言ってきた。
「じゃあ交換条件する」
「交換条件?」
首を傾げる影山に対し、朔夜は言った。
「飛雄たん着てくれたら、私も着る」
「……………朔夜も、着る?」
ゆっくりと確認をすると、朔夜はコクコクと頷いていた。
瞬時に影山の脳内で脳内会議が行われた。
自分のプライドを優先すべきか、朔夜の着衣を優先するか。
服のデザインを思い出してみる。
ぱっくりと開いている胸元と、背中丸出し。
脳内にある天秤は即、朔夜が着てもらえる事を影山は選択した。
「サイズ合わなくて、俺が着れなくてもお前は着ろよ」
「武士に二言はない!」
「お前は武士ではない」
そう言いながら、ガッと服を掴んで改めて見る。
絶対にサイズアウトで着られない確証しかない。
どうせ着られないのだから、首元まで着ればいいだろう、と上を脱ぎ捨てて一応、と言う事で首元まで通す。