【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第6章 ◎スポットライトの浴び方
「鷲匠先生呼べ言ってるだろうが!お前の脳ミソはトリモチで出来てるんか!」
「私とあなたでもっちもちー」
「歌うな!」
怒鳴る鷲匠先生相手でも一歩も引かずに、まるで同等の立場の様に振る舞い、それが許されている。
その姿が羨ましい様な羨ましくない様な、複雑な気持ちでいると牛島先輩が口を開いた。
「迎えが来るのだろう?校門まで見送ろう。鷲匠先生、海野の事を送ってきます」
「かー!若利も甘やかしてばっかりいるんじゃないぞ!」
「分かりました?」
鷲匠先生の返事を聞くと、牛島先輩は私の事を見てきた。
目が合ってビクッと反応をしていると、私の立場は海野朔夜の友人、だから一緒に見送る、と言う事になる。
「し、失礼しましたっ!」
深々と頭を下げ、慌てて見送りに付いていった。
◆
「飛雄ったーん!」
「外で抱き着くな!」
校門まで行くと、どこか見覚えがある二人が立っていた。
そしてそれが誰であるかを認識して、やっと海野朔夜が何者なのかに気が付いた。
宮城県立烏野高校。
今年の春高、ウチに勝って全国大会に行くのが決まった学校だ。
飛雄たん、とは相手チームのセッターだった影山飛雄。
で、翔ちゃんと呼ばれていたのは、あの小さなミドルブロッカーだった日向翔陽だった。
つまり、海野朔夜は主人公に等しい存在の彼女であり、本物のヒロインだったと言う事になる。
何でも許される理由に納得した。
影山飛雄は牛島先輩の後ろに居る私の姿に気が付くと、すぐに言ったのだ。
「お前、迷惑掛けたな?」
「えー?なんもしてないよ、失礼だなぁ」
ぷぅ、と頬を膨らませる海野朔夜に、影山飛雄はハッキリと言い切った。
「白鳥沢の女子がいる。なんかしただろ、お前は!」
彼氏の本能なのか経験談なのか、ハッキリきっぱり言うと牛島先輩が口を挟む様に伝えていた。
「海野の友達だそうだ」
「……友達?」
じっと私の事を見て、海野朔夜の事を見て再び私を見るとすぐに言われたのだった。
「絶対に無理矢理ですよね?すいません、コイツ何度言っても言う事聞かなくて」
「飛雄たん、白布ん先輩と同じ事言うー!」
「お前はそう言う奴だろうが!嫌がろうが無理矢理連絡先聞き出すし!国見にもしてるだろうが!」
「アチャー!前科者は信用がなーい!」