【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第6章 ◎スポットライトの浴び方
天童先輩に言われてもきっぱりと言い切る白布先輩に、天童先輩と海野朔夜は聞こえるヒソヒソ話をするのだった。
「怖い〜」
「賢二郎、若利君を朔夜チャンに取られた!ってヤキモチ妬いて仕方ないなぁ〜」
「……怒っても良いですか?」
三人のやり取りを見ていると、状況に気が付いたらしい牛島先輩が近付き、白布先輩に言う。
「白布、海野と仲良くしてくれ」
「牛島さんの頼みでもそれだけは無理です」
「アチャー」
ぺちっと額を叩く海野朔夜の様子を見る限り、全然ダメージは無さそうだった。
けど、本当に牛島先輩の甘やかし方は異常だった。
確かに恋人にする甘やかしではなく、小さな子供にしている様な甘やかし方だ。
恋愛感情がない、と言う話は嘘ではなさそうでホッとしていた。
ぴろりんぴろりん
着信音が聞こえる、と思うと海野朔夜はカバンからスマホを取り出し、画面を見てぱぁっと顔を明るくした。
「飛雄たんからだ!」
画面を見せびらかしていると、汗を拭いながら五色君が言う。
「いや、電話だから出てやれよ」
「りょか!」
ビシッと敬礼すると、スマホを耳に宛て、通話を始めていた。
「もすもすこちらモスバーガー」
「普通に電話も出られないのかよ……」
海野朔夜の第一声に嫌そ〜うな表情で言う白布先輩を横目に、相手も慣れているのか会話は成り立っている様だった。
「うん!もう終わるから帰るよ〜!えー?お迎え来てくれてるのぉ?」
キャッキャと喜ぶ様子を見て、電話の相手が彼氏であると察する事が出来た。
わざわざお迎えにまで来てくれるなんて、大事にされているのだな、と羨ましかった。
「飛雄たん、ランニングついでにお迎え来てくれるって!」
「いや、烏野そんなに近くないだろ?」
「所がどっこいつとむん」
「何だよ?」
「飛雄たんと翔ちゃんがまた勝負やらかして、白鳥沢付近まで来たご様子」
ドヤ顔で言う海野朔夜に、五色くんは引き気味に答える。
「……馬鹿なのか、あの二人」
「アチャー!知られちゃった!」
「いや、日向が馬鹿なのはこの間の合宿から知ってる」
「アチャー!」
馬鹿だと言われているのに、喜んでいてどんな性格なのかと見ていると、鷲匠先生の声が響いた。
「海野何時まで駄弁ってるつもりだぁ!」
「きゃー!鍛ちゃんが怒るぅ!」