【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第6章 ◎スポットライトの浴び方
正直に尋ねるしかなさそうだった。
「……牛島先輩と」
「牛島?」
「牛島先輩と付き合ってるの !? 」
「牛島……牛島……あ!うっしー?」
ぽん、と手を叩くので頷くと女の子は答えた。
「うっしーはおじさんなんだよ〜」
「おじっ !? 」
「それで私は親戚の甥っ子〜」
「甥っ !? 」
いやいや、歳が近過ぎるし、そもそも甥は男の事を指していて女ではない。
目の前の子はどう見ても女の子であり、男の子ではない。
状況が読み込めずに着いていけずにいると、背後から声がした。
「朔夜チャンじゃーん」
くるっと振り返ると、そこには天童先輩の姿が。
笑顔で手を振りながらこちらに来ている。
「さとりーん!」
女の子は天童先輩の姿を確認すると、嬉しそうに駆け寄ってハイタッチしていた。
キャッキャっと楽しそうにしていて、完全に置いていかれていると、私の姿を見て天童先輩が言う。
「あれぇ?朔夜チャンって白鳥沢に女の子の知り合いいたんだ?」
その言葉にどうしようと慌てていると、女の子はあっけらかんと言ったのだ。
「友達〜」
「ふぇっ !? 」
「……へぇ〜?」
女の子の反応と私の反応が違い、天童先輩は私の事をジロジロと見てくる。まるで観察するかの様に。
この目は完全に疑っている目だ。
「今友達になった所でござる」
「なぁーる程。何繋がりで?」
「うっしー!」
ビシッと手を挙げて言うと、成程と言う表情で私を見て言う。
「君って確か必ずバレー部の応援に来てた子だよね。中等部の制服だったから印象に残ってるんだよねぇ」
認識されていたのか、と顔を赤くしていると全てを悟ったらしい天童先輩は言ってきた。
「若利君が朔夜チャンの事可愛がってるから、焦ったって事かぁ」
「うっ!」
図星を付かれて顔を赤くしていると、女の子はヘラヘラと言っていた。
「うっしー優しいんだお。飴くれるよ」
「朔夜チャンそう言う事言ってるから若利君に甥っ子言われるんだよ〜?」
「うえっへっへっ」
天童先輩につんつん肩をつつかれ、女の子は照れた様子でいる。
自称甥っ子少女は何をしても許される存在なのか、とても楽しそうで自由である。
「海野朔夜」
ドン、と胸元を叩きながら名乗られた。
「天童覚」
そして、何故か便乗をする天童先輩。