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【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】

第6章 ◎スポットライトの浴び方


 体育館に行けば姿が見えるのでは無いのかと思い、体育館へと足を進めた。
 少しで良いから姿をみたい、そう思いながら歩いていると、目の前をサッとお団子頭が通り過ぎた。

「 ?! 」

 見覚えのあるシルエットに慌てて視線を移すと、そこにはこの間いた女の子がまたいた。
 今日は何やら大荷物で、だけれど。
 何を言おうとしていたのか、どうしようとしているのかも分からないのに、気が付いたら声が出てしまっていた。

「ちょっと待った!」
「んにゃ?」

 変な声を上げながら止まった女の子に近寄りながら、頭の中では混乱しながら言葉を探す。
 なんて言えば呼び止めた理由として、正当になるのか。
 必死に考えた末、制服を指差しながら言う。

「た、他校の生徒、勝手に敷地内に入ったら駄目なんだからね!」

 不法侵入者の様に言うと、女の子は得意げな顔で首から下げるネームプレートを持って答えた。

「それならだいじょーぶ!この前鍛ちゃんにコッテリ怒られて、来た時はちゃんと事務室で許可証もらってこい、って言われてるから!ほら!」

 ネームプレートには確かに外部の人が来た時に下げる許可証があった。そうなると正式な手続きを取った人間であり、不法侵入者ではなくなる。

「……鍛ちゃんって誰?」

 ネームプレートよりもちゃん呼びされているのが、誰か分からずに言うと女の子は自信満々の表情で言うのだ。

「バレー部監督の鷲匠せんせーですぞ!仲良くなったから鍛ちゃん呼んでる!」

 バレー部の監督と言えば、あの怖いおじいさんの事になる。あの人と仲良く?何を言っているのか分からず、混乱してきてしまった。

「んで、君はだぁれ?」

 こてん、と首を傾げられ、またそれが正しい反応であり、口篭る。
 突然呼び止められたのだから当然の言葉であるが、どう返すのが最善なのか考えても浮かばない。
 ただ、見知らぬ相手に呼び止められたとしては不快感を感じていないらしく、不思議そうにはしているが、笑顔に近い表情だった。

(こう言う人懐っこい性格だから、牛島先輩に好かれたのかな……)

 見れば見る程ヒロインにしか見えず、輝いて見えて眩しい。
 モブから見たヒロインはこんなにも、明るく見えるなんて知らなかったから。

「ん〜〜」

 私が答えない為に困った様に顎に手を宛てている。
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