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【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】

第6章 ◎スポットライトの浴び方


 私は物語のヒロインでは無い。
 ヒロインの近くにいるサブでもない。
 その辺りを歩くモブの一人でしかないけれど、スポットライトを浴びたいと願うのは、当然の感情だと思っている。
 何時でも落ち着いていて、冷静な先輩である牛島先輩に恋をしたのは中学時代。
 たまたま廊下で転んだ所を助けてもらったのが、きっかけ。
 それからは欠かさずバレー部の応援に行き、全力で応援をしている学生Aでいた。
 例え先輩に認識してもらえなくても、ヒロインになれなくても、少しでも姿を見られるのならばそれだけで良かった。
 筈なのに。

「うっしーだぁ〜!」

 牛島先輩、高校最後のバレーは春高全国大会へ行く事が出来ず、終わりを告げ暫くした後に突如現れた一人の少女の存在で大きく動き出した。



スポットライトの浴び方



「なっ……なっ…………」

 バレー部も引退してしまい、牛島先輩を見れる機会が無くなり、途方に暮れて過ごしていたある日。
 余りにも馴れ馴れしく、牛島先輩に話し掛けた女の子がいた。

「海野か。遊びに来たのか?」
「ぎょーむ連絡して来ました〜」

 ヘラヘラと笑う女の子に、牛島先輩は優しそうに頭を撫でていた。
 その表情は何処か柔らかく、微笑んでいる様に見えた。

(嘘……誰あの子…………)

 脳天をハンマーにでも叩かれたかの様な衝撃が襲う。
 ずっと遠くから見てきた牛島先輩に、当たり前の様に近寄り笑う女の子。
 三年間ずっと牛島先輩を見てきたけれど、今まであんな子見た事がなかった。
 制服から他校の生徒である事はすぐに分かった。
 紺色のニットに身を包み、お団子頭に赤縁眼鏡をかけた子。
 ずば抜けて美人な訳でも可愛い訳でもないけれど、凄く輝いて見えるその子は、まるで物語のヒロインの様に見えた。

(牛島先輩……彼女いたの……?先輩、あんな感じの子が好きだったんだ……)

 この世の終わりが見えた気がしながら、フラフラとその日は帰って寝込んでしまった。





「まだ彼女って決まった訳じゃない!」

 数日後、パン!と頬を叩きながら気合いを入れる。
 いくら何でもいきなり他校から彼女連れてきました、なんてならない筈。
 きっと知り合いなだけ。そう知り合いなんだ、と言い聞かせる。
 牛島先輩はバレー部を引退したけれど、ちょくちょく顔を出しているらしいと話を聞いた。
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