【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第5章 ラッキーすけべなどは二次元だけである
淡々と言う影山に、追われていない柚木の方が戻ってきて言った。
「影山君」
「ん?」
「隊長から伝言。『強制ラッキーすけべはどうだった?』だって」
「…………もしかして背中に胸が当たってたヤツ?」
影山が少し考えてから言うと、柚木は頷いて言い続けた。
「そーそー。殿下全然気が付いてないから、つい口を滑らせる所だった」
「アイツ知ったら怒るんじゃないのか?」
「んー、隊長にとって殿下の不幸は蜜の味、で遊ぶ事多いから大丈夫だと思うよ。んじゃ僕達帰るから、殿下よろしく〜」
手を振って去っていく柚木を見て、影山は改めて頭を下げて朔夜を連れて帰ってしまった。
一連の流れを黙って聞いていた田中と西谷は膝を付いて嘆いた。
「やっぱり実在するんじゃねぇかよ!ラッキーすけべ!」
「くっそぉ影山が死ぬ程羨ましいぃ〜!」
「まだ言ってる……」
縁下が呆れていると、いつの間にか現れた澤村が田中と西谷の肩に手を置いてゆっくりと言った。
「田中、西谷。今後、その単語を口にする事を禁ずる。分かったら返事」
「「 はい〜!! 」」
ラッキーすけべなんて、そんな都合のいい事はない。
そう、多分無い筈だ、と澤村は朔夜と影山の後ろ姿を見ながら言い聞かせていた。
「アイタァ!私の右足が左足を陥れる !! 」
「ただ自分の足に躓いただけだろうが !! てかなんでまたスカートの下、履いてないんだよ !! 」
「イヤン!飛雄たんのえっち!」
「自衛をしろ!」
「何色だった?」
「…………水色」
「えっちむしぃ~!」
そう、ラッキーすけべなどない、筈だ、と頭痛を感じながら。
(2021,5,5 飛原櫻)