【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第5章 ラッキーすけべなどは二次元だけである
少しの間見つめ合っていると、朔夜はててっと影山の所へと走っていった。
それを見送った山城は清水に深々と頭を下げて言う。
「殿下の馬鹿が騒がせてすみません」
「いえいえっ。そもそも今回の騒ぎは、元を辿るとバレー部二年からだから……」
清水が慌てて言うと、山城と柚木は互いに見合って断言した。
「でもどうせ殿下だし」
「そうそう、普段から変な事しかしない殿下だもんね」
付き合い長い友人にこうも断言されるなど、朔夜の性格は凄いのだと改めて感じた。
少し離れた所で話している二人の様子が、おかしい事にはすぐに気が付けたけれど、清水は口を挟む事が出来ないのであった。
◆
「…………で?どうしてそうなった?」
「……コイツの友達にやられました」
放課後、影山に後ろからぴったり張り付いて離れない朔夜に、澤村は頭痛を感じていた。
拒絶解除されたと思ったら、何故かべったりくっ付いている。
そして勘違いじゃなければ、何故か影山の胸を揉んでいる。
「揉まれたら揉み返せ!二次元の推しの雄っぱお!」
「すまん、日本語を話してくれ……」
清水に頼んだ所、途中で友人が入ったと聞いていたが、話の内容を清水は話したがらなかった。
その理由が今分かった気がする。
「楽しいのか?それは……」
「驚く程に楽しくない!私はもしかしてまた隊長に弄ばれたのではないかと考えている所存!」
クワッと答える朔夜になんて言おうかとしていると、件の友人である山城と柚木が顔を出して言う。
「うわー、本当にやってる」
「殿下〜、影山君は推しじゃないでしょ?」
「あ、隊長。総帥。驚きの楽しくないなんだけど!」
朔夜の言葉に山城はサラッと言う。
「そりゃあそうだろ。そもそも胸揉んで楽しいのは男だけだと思うし」
「くぁー!純情オタ心弄ばれたァ!」
「俺はアホな殿下が見れて満足である」
「影山君、ドンマイ!」
パッと影山から離れ、朔夜は怒りながら二人を追いかけていく。
それを見ながら、影山はゆっくりと頭を下げた。
「清水先輩、ありがとうございました」
「私は殆ど何もしてないんだけどね」
「清水先輩のおかげてあの二人が話す時間が出来たので。それじゃあ俺は今日は養生する様に指示出てるので、アイツと帰ります」