【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第5章 ラッキーすけべなどは二次元だけである
心配そうに顔を覗かせた朔夜の顔から、下に視線を落とすのと同時に、無意識に手が動いてしまっていた。
むにっ
影山の手が朔夜の胸に触れていた。と、言うか揉んでいた。
「…………」
「…………」
状況を理解するのと同時に、派手な打音が響き渡った。
◆
「影山っ !? なんか昨日より酷くなってない !? 病院行ってきた方が良いって!」
朝練時、右頬を赤く腫らしている影山に、東峰は血の気が引いた顔で言ってきていた。
確かに昨日夜間救急に運ばれた影山の頬は無事だった筈だ。
それなのに今朝になったら腫れているのだから、心配するのは当然である。
「いや、これは別件なので大丈夫です」
影山が落ち着いた様子で答えていると、心配そうな様子でやってきた山口が言う。
「今そこで海野さんとすれ違ったんだけど、凄い怒ってて、何が……って影山何その顔っ !? 」
山口の後に入ってきた月島は影山の顔を見て、何となく理解した様子で尋ねた。
「王様、昨日あの後何したの?」
「いや…………」
影山は両手をワキワキ動かしながら、正直に言う。
「昨日何が遭ったのか思い出そうとして……」
「『して』?それで何を『した』の?」
月島の問い掛けに、バツの悪そうな顔で影山は答えた。
「…………顔になんか当たったのと、手がなんか触ってた感触が合って、気が付いたら朔夜の胸触ってて…………ビンタされた」
影山の答えにその場にいた全員が溜息を付いた。
そして、意外な事に朔夜が怒るのかと思い、菅原は言う。
「うんちゃん、影山がする事に怒るのか……意外過ぎる」
「順序守れない奴は嫌い言われました。後、一週間口をきかない言われたので、どうしたらいいですか?」
どうやら口をきいて貰えない事が耐えられないらしく、相談の為に朝練に来ているようだった。
「今日は休め言われてたのに来た理由がそれか……」
「しかしガチ怒りとなると……」
何時もヘラヘラしていて、影山を許していたあの朔夜が怒っているとなると、簡単に解決しないと予想出来る。
「田中……は今回ラッキーすけべの言い出しっぺだから駄目だろうし、スガの話も聞くか怪しいなぁ……」
澤村がうーん、と悩んでいた所清水が入ってきて言った。
「朔夜ちゃん、すけべ云々言って怒ってたけど……」