【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第5章 ラッキーすけべなどは二次元だけである
「ラッキーすけべ、って言葉知っているか?」
部活の後片付け中に、田中がいきなり言い出して全員の手が止まった。
ラッキーすけべなどは二次元だけである
「男の夢だな、龍!」
「流石ノヤっさん!すぐに分かってくれて嬉しいぜ!」
ノリノリで答える西谷を見つつ、月島は冷めた声色でモップを掛けながら言う。
「現実見てくださーい」
月島の通り過ぎていく姿と、怒る田中西谷の姿を見つつ、ネットを外している日向は向かい側にいる影山に尋ねた。
「なぁ、ラッキーすけべって何?」
「俺が知る訳ないだろ」
「じゃあやまぐ……」
「くぉらぁ!影山!お前だけはそれを言うな !! 」
噛み付く様に言う田中に、日向と影山は同時に首を傾げてしまう。
田中は日向は兎も角影山は、と言った様子だ。
「何で俺なんですか?」
ネットを畳む手を止めずに尋ねると、田中は影山を指差し叫ぶ様に言った。
「お前がうんちゃん相手にラッキーすけべしているのは知ってるんだぞ!今日昼休みにお前、うんちゃんのパンツ見ただろ!知ってるんだぞ !! 」
田中のその言葉に全員の動きが止まる。
吹き出したり持っていた物を落としたり、阿鼻叫喚。
流石の興味無い関係ないとスルーしていた月島も止まった。
影山はと言えば、耳まで真っ赤にしてネットを落として固まっている。
「……はっ……まっ…………!」
言葉が出てこない影山の姿に、流石の菅原も驚いた様子で尋ねてきた。
「え……影山マジか?」
その言葉に影山は大慌てで言い出した。
「事故っ……事故ですっ!そもそもアイツがいきなり『私は空を飛ぶ!』とか言い出して、階段上からジャンプしただけで !! 」
「成程、その過程で…………見たんだな、影山。うんちゃんのパンツは何色だったんだ?」
真顔で、どさくさに紛れて言った西谷に、影山は言う。
「教える訳ないですよね !? 」
「あー、うん。教えなくて良いぞ、影山」
西谷の襟首を掴みながら言う澤村の姿に安心したが、それで引き下がる田中の筈が無い。
自分は捕まっていないので、ズンズンと影山に歩み寄り責め立てる。