【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第17章 バレーオタクの初入浴
影山飛雄、十八歳。
職業は企業所属のプロバレーボウラー、新人。
宮城から東京へ単身上京……ではない。
宮城県立烏野高校に入学して僅か一週間で告白をされて、出来た初めての彼女。
約一ヶ月の時間を掛け、彼女に惚れてしまってから早三年。
海野朔夜。
それが彼女の名前。
自分の進路の為に、一緒に東京へ着いて来て欲しいと死ぬ思いで本心を言ったら、即答で了承をくれた。
自分が入りたいと思っていたチームには、他校であるが顔見知りである白鳥沢学園高校の牛島若利と、鴎台高校の星海光来が既に在籍をしていた。
チームへの顔出しの際に数年ぶりの再会をした牛島が、影山に着いてきてきた朔夜の姿を見るなり、朔夜に向かってチームに入るのかと何故か逆スカウトをしてきた。
朔夜は馬鹿正直に影山に着いて来てるだけで、引っ越してからバイトでも探す、と答えた。
そんな姿の朔夜を見てから、影山に視線を移した牛島はもう一度朔夜の事を見る。
そして少ししてから牛島は口を開いた。
「影山はそれで良いのか?」
牛島の言葉に影山は落ち着き無く動いている朔夜の肩を抱き寄せ、婚約者だから常に一緒にいたい、と正直に告げた。
影山のその言葉に彼女を連れてきているのは分かっていたが、まさか婚約者とは、とざわめかれた。
一番騒いでいたのは朔夜だったので、頬を掴んで黙らせた。
影山の返事を聞いた牛島は何やら上の人間と話を始め、少ししてから戻ってくると提案をしてきた。
それは朔夜を特別枠として、アドラーズの仕事をする。つまり就職先の斡旋であった。
朔夜はずば抜けて頭が良い訳では無いが、英語は普通に読み書き出来る。何だかんだでマネージャーもしていたので、バレーボールの知識も有り。
そして無駄にコミュニケーション能力が高く、他社への交渉も多分行う事が出来る。
将来的には選手の通訳をして行く事と、雑務を行うと言う事で牛島推薦の上の入社が急遽決まったのだった。
そして、朔夜と共に上京をして二人暮しが始まった。
いや、正しくは朔夜の愛犬てまりもいるので、二人と一匹暮らしである。
それでも二人暮しである事には変わりない。
朔夜は無駄に器用なので、料理は一通り出来るし、掃除洗濯等の家事のやり方も一緒に教えてくれて、影山も最低限の家事が出来る様になった。