【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第16章 ★篭った熱の吐き出し方
朔夜のプライベートな事で、本来ならば影山と言えど踏み込んではならない事だ。でも、朔夜は交流関係を隠したりせず、正直に話すので今回もそうだと影山は思っていた。
暫くジーッとスマホを見つめていた朔夜が顔を上げた。満面の笑みで。
「秘密!」
「…………は?」
初めての拒否に声が裏返っていると、朔夜は上機嫌で立ち上がって言うのだ。
「秘密ー!教えてやんない!」
本当に楽しそうに、いたずらっ子の様な表情で、朔夜は影山から逃げる様に走っていってしまう。
それに一瞬呆気にとられた影山だったが、ある意味初めての隠し事をされ、黙ってなどいられなかった。
「朔夜テメェ!」
「内緒ナイショー!今教えたらおもろくないもん!」
逃げ足だけは速いので、朔夜はすぐに影山から隠れてしまう。こんな時ばかりは小柄なままで良かったと朔夜は思っていた。
影山が怒るのを分かった上で、LINEの届いた内容を見たら秘密にしたくなってしまったのだ。
影山から逃げながら、朔夜は改めてスマホの画面を見た。
チャット相手の名前は日向(人物2)。
そこに打たれている文章は以下だった。
『今一緒に組んでる人の結婚式見届けたら、俺日本に帰る事にしたよ!ビーチがっつりやったから、またそっちでバレーやる!』
影山の最大のライバルである日向が帰ってくる。
常に交流はあるけれど、ブラジルと日本は遠く離れていて別世界だった。
単身ブラジルにビーチを学ぶ為に二年の予定で旅立っていた日向。
口には出さないが、誰よりも影山が日向が戻ってくる事を心待ちしているのだ。
(翔ちゃん戻ってくるの知ったら飛雄たん絶対に喜ぶぞー!所属チームとかどうするのか、戻ってきてから、って言ってたから、それまではナイショの秘密にしとこっ)
えへへ、と笑っていると体力も体格差もあるので、あっさりと追い付かれた影山に捕まってしまった。
「捕まっちった」
「内緒ってなんだよ」
不機嫌気味の影山の顔を見て、珍しく朔夜の方からチュッと触れるだけのキスをして言った。