【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第15章 オタップルの大人への階段登り
性的な事に直結しなければ、触れる事や変な事をするのもいいのだろう。童貞を殺すセーターも多分そんな考えからだったに違いない。
「さく……」
「んっ……」
ぽすっとベッドに押し倒し、何度も優しく頬を撫でてやる。
撫でられる動きを大人しく受け入れている朔夜の姿を見ながら、影山は口に出さずに考えていた。
(ゆっくりと、時間を掛けていかねぇと……)
嫌がっている訳では無い。ただ恥ずかしがっているだけ。
なので影山が出来るのはゆっくりと確実に、段階を踏みながら先に進んでいく事だ。
暫くは触りたい気持ちも、繋がりたい気持ちも我慢して、キスから慣れさせていこう。
朔夜から「シたい」と言う気持ちを出してこれる様に、導いてみよう。
「……みゅーぅ」
訳の分からない言葉を発しだしたので、朔夜が落ち着いてきたらしい。
じっと影山の事を見てくるので、肩を抱きしめて掛け布団の中に連れ込んでしまう。
布団が大好きな朔夜なので、掛け布団を掛けられた事が嬉しかったらしい。影山の胸元に頬擦りして甘えきっていた。
もう少し異性として意識してくれても、とは思うけれど、自分以外とこう言う事をしないならば今は良しとしようと決めている。
「さく、落ち着いたか?」
「オフトゥンさんちゅきぃ〜」
「……俺は?」
「飛雄大好き……」
ギュッと抱きつくので、影山は満足気に朔夜の頭を撫でた。
他の皆を好きだと言っていても、朔夜の特別は自分だけなのだから。
「ぬくぬく〜幸せぇ〜」
「そうか」
「東京行っても一緒〜」
「……そうだな」
朔夜は東京に伯母が居るし、職場には牛島も居るので独りになってしまう事は無い。
特に伯母の方は何かとサポートしてくれると言っているので、引っ越したらまず最初に挨拶しにも行かねばならない。
生まれ育った宮城の地を離れる事にはなるが、フォローしてくれる周りに恵まれていて本当に助かっている。
自分はそんなに周りの人間を求めたりしないが、朔夜に寂しい思いだけは絶対にさせたくないのだ。
朔夜は常に幸せでへにゃへにゃ笑っていてもらわないと困る。
そして東京の地でゆっくりと恋人として、男女の関係にもなりたい。
今はまだ半裸に近い姿が限界であるけれど、少ししたら全裸で抱き合える様になれる様に。