(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第15章 知らない裏側
それを聞いた俺は、これも彼女なりの正義感と戦いなんだと思った。彼女は見えない何かと必死に抵抗していて、それが俺達や周囲の生死に結びついている。言葉を尽くし、俺達に信じ、身を弁えた行動力で、「生きろ」と叫び続けている。決して演技でも嘘でもない、全て椎奈が予知ではない何かで知った事実なんだ
それを椎奈自身は臆病で脆弱と卑下しているが、この場の全員と伊達もそうは思わない。寧ろそんなにも危うい覚悟、純粋すぎる誠実さなんて疑う方が愚かだ。いっそ年下だろうが敬愛に値するし、意地でも成功させて不安や恐怖を除きたい……
俺の椎奈への好感度だってズギューン!!と上がった。やっぱり俺が惚れ込んだのは間違いじゃなかった。小さい頃こそお世話になった女医の宮野エレーナさんに憧れたけど、今じゃ忘れられない素晴らしい思い出だ。本物の恋は多分初めてだ、犯罪に強い専門技能も、格闘技だって出来なくていいから、そのまま俺達お巡りさんに任せてくれ!
だからこの際、情報元が何処かなんてあり得ない謎には目を瞑ろう。いずれ聞かせてほしいので、きちんと言ってくれる時を待つ。なのでまずは内部の裏切り捜査、次にスコッチこと諸伏景光の処遇だが……。ああもう、いっそNOCだと情報を漏らさせ、死亡偽装する方が一番安全か?こうなったら綿密に作戦と準備を整えなくては!!
降谷「……そんなわけでヒロ、お前は来年辺りで死を偽装してもらう」
諸伏「え゛」
後日、すぐに警察庁のゼロが持った権限で凡ゆる手配をしてから警視庁の公安部に行き、デスクで書類と格闘しているヒロの元に彼の上司兼俺の部下でもあった風見裕也と一緒に押しかけた
俺は必ず親友も同期も死なせない、絶対椎奈に誓って喪ってなるものか!
───降谷side END
───諸伏side
これは俺の親友である降谷零ことゼロがパーティー当日、椎奈をきっかけに猛烈なアップを始める前のこと。潜入先に椎奈がいるという最悪な情報を貰った後、『千の顔を持つ魔女』なんて異名を持ったベルモットに他の幹部には内緒で呼ばれた機会があった
場所は一般客が来ない犯罪者御用達の小さなバーで、L字型のカウンターで角横の二席に座った。俺もベルモットも自分のコードネームになったお酒を飲んでいる