(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第15章 知らない裏側
ベルモット「誘導はターゲットと接触予定の私とバーボンに任せなさい。でもねスコッチ、貴方の今回の任務はスナイパーじゃないわ。この子の監視よ」
スコッチ「えっ……、?!」
バーボン「?!!」
彼女が上着の胸ポケットから写真を出して見せてくるが、『この子』というのがどう見ても兎を抱っこする椎奈がカメラ目線で映った写真だった
ライ「……それは工藤椎奈か?」
ベルモット「そうよ。この子は組織と無関係で犯罪経歴もない一般人、単なるクリス・ヴィンヤードの友人として付き合ってるわ。お互い母親同士が友人だしね。だから絶対あの子の前で物騒な話は禁止よ」
バーボン「えっと……、では何故そんな彼女に監視なんか?」
ベルモット「任務を受けるより前に約束しちゃったのよ。一緒にパーティーで過ごさないかってね。男の暗殺に支障が出ないように、彼女の話し相手にスコッチをつけたいわ」
取り敢えず、椎奈がプライベートで彼女の親友として仲が良く、危険が無さそうなのは安心出来たし巻き込まなくてすみそうだ。ベルモットが彼女の関係性を偽る理由もない。ここでスコッチではなくライが選ばれていたら、どれほど彼奴が適してないかありったけの言葉で説得しただろう
しかし彼女の語る言葉には違和感がある、任務に多少の支障はあってもその程度なら自分で対応出来そうなのに……、それはライも思ったのか、馬鹿にしたような笑みで鼻を鳴らす
ライ「ふんっ……本当にそれだけだとは思えんが?」
ベルモット「とにかく貴方が一人で狙撃しなさい。バーボンとスコッチは当日、あの子が私の泊まるホテルに来るからそこで顔合わせよ」
ライの追及を逃れるようにそう言い切ったベルモットは、それ以上この話に触れる事がなく食事を始めて、諦めた俺達も料理に手をつけた───
それからヒロが前日の晩、椎奈に「初対面として接する事、本名を絶対口にしない事」を伝えに連絡する。きっと彼女も俺達の事情を察している筈だ。そうでなくては、過去のあんなに具体的な忠告はしないだろう
実際、その連絡に返事が無くて理由を問うて来ないのが証拠だ。ホテルで自己紹介した時もきちんと合わせてくれて、女優らしく自然に初対面の出会いが演じられた。内心はきっと混乱したり、何かあるんじゃないかと怯えてそうだがな