(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第15章 知らない裏側
当然、その知らせにはヒロと二人で歓喜したとも。眩しく輝く舞台で生き生きと活躍している椎奈を、流石に表立っては無理な為にひっそり応援していた。勿論、彼女の努力やバラエティ性を捉えた番組もしっかり見届け、年々成長していく様子は疲弊した心を優しく和ませた
そして特に素晴らしいのがミステリードラマ、彼女が主役の探偵で、俺やヒロが所属している公安警察がメインの感動ものだった。見ていて俺達も正義とは何か、本当の悪や悲しみが生む犯罪の酷さを思い知らされた……
更にドラマでかかった椎奈が作詞している曲も、彼女自身の罪悪に対する感受性や価値観、必死に足掻いて生命や人生を重んじる歌詞か多くの民間人の共感を得ている。警察も犯罪が減少し、捜査の士気と民間の協力も上昇傾向にある。因みに音楽関連のランキングだが、1位から5位以内に入る人気ぶりを誇っているらしい……
昔から椎奈に、どれほど俺が癒しと励みを貰っただろう。決して挫けぬ信念と覚悟を抱え、正義を遂行しようと闇に耐え忍ぶのは精神的に荒んで苦痛だった……。しかし苦難にぶつかる度に日本で平穏に生きる多くの市民や、それぞれ道を歩んでる大事な同期達、舞台で華やいだ笑顔を見せる椎奈が思い浮かんだ……
つまりこの俺、降谷零は九つ若く工藤椎奈に惹かれ、焦がれるような恋に落ちいたのだ!
……けれど俺の人生二度目の淡い恋は、どうやら普通の少女ではなかったらしい
それが判明したのは去年ごろ、爆処の所属になった萩原達から連絡が来た時だ。警察学校卒業の年の11月7日に大きな爆弾騒ぎが起き、遠隔操作と水銀レバーの物騒な仕掛けがあったという。更に去年と一昨年に3と2のカウントダウンFXが届き、すぐに椎奈から聞いた話を思い出した
萩原と松田は爆処所属の大親友、俺とヒロは幼馴染で危険が伴う潜入捜査官で、伊達は同期唯一の彼女持ち。調査すると過去に交通事故以外の事例は無いし、ましてや配属先など当時は決まっていなかった。それが偶然だろうとあまりに不自然なので、同期と話し合った結果ひっそり椎奈の素行捜査を行った
すると調査の結果は白、疑う事さえ馬鹿らしいほど椎奈は真っ当だった。敢えて汚点を挙げるとすれば、事件に遭遇しすぎて不憫な事だろうか