(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第14章 『Goddess』2
椎奈「今日はお世話になりました。ありがとうございます」
安室・緋色「「いえいえ」」
そんなやり取りが行われている現在、ホテルの地下駐車場の奥でクリス達が見送りに来てくれている。私は研二くんが運転席に乗るパトカーの後部座席におり、空けた車窓越しにクリス達と言葉を交わしたのだ。そして用事があると言ったクリスは華麗に去っていく、安室さん達を置いて
完全に会話が母親っぽかったよクリス、そして微笑ましそうに見ている降谷さん達の内心は絶対複雑なんだろうな……同期と会うだなんて想定外だろうし……
そう思った私はふと考える、これ以降降谷さん達と話す機会はあるのだろうか。スコッチがNOC……Non Official Coverだとバレる事件に遭遇出来るのか、それさえ怪しい状態だ。確か来年の原作3年前から2年前の12月7日、それが彼の命日とされる日付である
恐らく今を逃せば他にない、メールで伝えたとして携帯が変わっていれば無駄なのだ。きっとお互い忙しいので諸伏さんと会える最後、なので私は思い切って二人の男達を一人ずつ手招きする
椎奈「緋色さん緋色さん、お耳をちょっと」
緋色「えっ?俺か?」
いきなり名指しで呼ばれたので驚いている彼だが、戸惑いながらも寄って屈んでくれて私は両手で隠しながら吐息レベルの小声で耳元で密かに囁いた
椎奈「……いつか大事な秘密がバレて、自分と仲間の命の危機になって、足音がすると怖いと思う」
緋色「!」
椎奈「だけど大事な家族を、同期達を、生きたいって望みを自ら捨てないで」
緋色「!!それって……君は……」
誰にも聞かれないよう告げた言葉に、諸伏さんは瞳を揺らして動揺していた。それはそうだろう、過去の助言といい今回といい、私がまるで予知能力でも使って行ってる様な口ぶりだから。前の座席の同期組も声は届かないまでも、意味がありそうな言動に注目している。更に私は続いて安室さん、もとい降谷さんを手招きする。そしたら彼は行動の意味を汲んで私に屈んでくれる
椎奈「……焦りは最大のトラップです。ピンチになった彼が早とちりしないように、貴方自身も冷静になって行動して下さい」
安室「……分かりましたが、何故そのような事を?」