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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第14章 『Goddess』2



同じく耳元に小声で返されたその疑問、警戒と疑念を露わにするのは最もだ。私はただの怪しい存在、疑わしい言葉を発する人間だ……


絶対零度の射殺すような瞳。私は降谷さんの厳しい視線とほんの刹那、間近で見つめ合って再び彼の耳元ではっきりと囁いた




椎奈「……自分が到底信じられない事を言ってる自覚はあります。こんな予言まがいな言葉、現実的じゃないし知らない事もあるから利用価値は低いもの。だけどこれだけは信じて、私はただ───」


安室「……っ」




誇れる戦闘力に恵まれなかった私の、脆弱すぎるが故の運命に対する悪足掻き。信頼できる誰かに頼るしか出来ない儚い決意を告げると、降谷さんは大きく目を見開いて絶句していた


───……だけどこれだけは信じて、私はただ、手の届く範囲で多くの人を助けるきっかけになれればいい。自分じゃ専門知識も技術も得られず、格闘技だって才能がなかった。全部予知なんて力で言ってるわけじゃないし、未来の行方ははっきりと分からない。だけど臆病な私は、皆の最悪な運命を無視できなかった。誰かに頼ってでも、一丁前に貴方達を、身近な人を失いたくないだけなんだよ───


こんな無責任で傲慢な思想、不安要素しかない助け方しか出来ない自分が情けないな。けれど懸命に生きるしかないのも十分理解しているわけで。それ以上内緒話をやめた私は、下手くそな笑顔で笑って全員に聞こえる小声で最後に言ったのだ




椎奈「いつかきっと、私の重大な秘密を知れる覚悟が出来たら教えてあげる。怪しまれてるでしょ?何度も言っておくけど、別に超能力者じゃないからね?何でもかんでも知らないし。また会いましょう、安室さんと緋色さん……研二くん、出してもいいよ」

萩原「え?もういいの?」

松田「そんじゃお二人さん、気をつけて帰れよ」

安室「え?あっ、ええ……」

緋色「……絶対会うから、それまでまたな」



これで諸伏さんの未来が変わればいい、後は彼らの命運次第だろう。既にここ4年で昔の忠告が只事じゃないと気づいてる、この四人と伊達さんが私を信じてくれるといいけと……

私が車窓を閉じ切った時、パトカーが静かに発進した。きっと研二くん達も色々考えてるんだろう、家に着くまで静かな車内で瞳を伏せていた。そうして結局、何も聞かれないまま私の家で別れたのだった

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