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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第14章 『Goddess』2



安室「この意味を持つ西洋菓子は一つですよね?」

椎奈「ええ!」




ここまで小声のやり取りを、僅か5分未満で終了させた私達。問題は案外難しいものじゃなく、四人一組のグループ制で本当によかったと思う。じゃないと景品の上位二つが降谷さんと諸伏さんに渡ってたし、一等の景品で蘭ちゃんと園子ちゃんとお菓子作りしようと思ってたんだよね。危なくやばい人を相手しなくてすんだ……。四人がそれぞれ特典を貰えるのは有り難い

そして無事に答えに辿り着いた私達は四人で手を挙げ、それに気づいた舞台上の女性秘書さんがこちらを向いた



女性秘書「おお〜!さっそく答えに辿り着いたグループがいるようです!それではゲーム実行員の人がそちらに行くので答えを耳打ちして下さい!」



言われた通り実行員の男性社員さんが私達の所に歩いて来た。しかもよくよく見れば、その男性は社長さんと只ならぬ状況を醸し出していた人で……。その彼が私達の前に現れて「答えをお願いします」と、耳にプラスチックメガホンの口が小さい方を当てがった。声や口の動きで周囲に答えがバレてしまうのを防ぐ為だろう

安室さんが代表として前に出て、プラスチックメガホンの大きい口から男にゲームの答え……『マドレーヌ』を言うと、男性社員さんはステージに立ったままの秘書さんに両腕で『○』のサインを送った。それは即ち合格の合図で、彼女の「早くも合格のグループが出ました!一等おめでとうございます」というコメントに、周囲のグループが騒ついた

そして役目を一旦終えた男性社員が踵を返し、ステージ脇に行こうとしたその時だ

バリイィィンッ!


男性社員「ぐあっ!!」



窓ガラスが割れる音が響き、目の前にいた男性社員が撃たれた。何処からともなく心臓を撃ち抜かれた男は、呻き声を上げて前のめりに倒れ伏す。まるでスローモーションのように、私の目にはゆっくりに見えていた


男性の胸部を中心にじんわり高級なカーペットに血が滲んで、一連の光景を見ていた周囲が悲鳴を上げて逃げ惑って混乱する。すると誰かの「頭を下げて」という叫びで、全員がその場に屈むもそれ以降銃撃は来なかった。男性はピクリとも動かない

……ああ、これでまた一人、知らない誰かが死んだんだ。罪を犯してしまった。せっかくの儚い平穏が崩れてしまったんだ

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