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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第37章 漆黒の葬列 後編



桝山「久しぶりだね志保ちゃん、君はまだ赤ん坊だったから覚えちゃいないだろうが、科学者だった君のご両親と私はとても親しくてね……。開発中の薬の事はよく聞かされていたよ……」

灰原「ピスコ……準備は出来てるのよね?」



幹部ピスコの私との再会?に歓喜した発言が癪に触る。両親と親しくしてた、という言葉も本当なのか怪しいものだ。とは言え、彼はもう警察に協力する側の人間で、組織に切り捨てられた存在。会場で見た無害な老人の雰囲気は消え失せ、目の前にいるのは酒蔵でタバコを吸う短気そうな老人。彼は私の無愛想な態度にも特に気にする様子はなく、自らの後ろを振り返りながら「あれだ」と人差し指に指し示す。

精巧に作られた私の遺体の偽物と、黒髪で出来たウィッグに着替えだ。大人用と子供用の両方があり、効果時間が分からない故に何方もおる。ピスコの偽物の遺体も何処かにしまっているのだろう。



益山「これからジン達に私がここにいる事と、君の遺体を見つけた連絡を入れる。きっと奴らは機嫌良く来るだろうさ、厄介者の君と私を両方始末できるのだから……」

灰原「そう……それじゃあお先に失礼するわ」



フッと嘲笑を浮かべる男に組織への未練は微塵も無く、淡白な会話の合間に立ち上がった私はけれど、すぐに膝を着いてしまう。

解毒剤の効果が、切れようとしているのだ。

──────灰原side END











落ち合い場所で待つこと数十分、酒蔵を幼児化で変装した状態で出て来た哀ちゃんと合流し、地下の駐車場ではなく一階の外へ出る。偽物とは言え、ホテル内は爆弾騒ぎになっているからだ。私が阿笠博士にメールでその事を伝える文面を送り、『それじゃあ車をホテルの隣のビルに移動させよう』ということで、私達は歩いてそこへ向かう事になった。

私は屋上から無事に帰って来た長い黒髪のウィッグに私服姿の哀ちゃんを見て泣きそうになったのだけど、得意の演技で涙腺を堪えて『迷子になった知り合いの子供を保護する』演出。一見周りに誰もいないように見えても油断は禁物だからね、米花町は特に組織にしろ一般人にしろ、盗聴盗撮は常に警戒しておかないと。「お母さん外で探してたよ?一緒に行こうか!」「うん!」そんなやり取りをしながら幼い体を優しく抱き上げ、ジン達が来る前に素早くフロアを退散。逃走は成功したのであった。
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