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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第37章 漆黒の葬列 後編



余談だけど人懐っこく笑った哀ちゃんは言うまでもなく、とても可愛らしかった。そして迷子を保護する演技では避難者がパニックを起こさない様に言葉に気をつけ、『爆弾事件』を伏せるリアル性も忘れてません。

そうして哀ちゃんを抱き上げた私は彼女の顔を肩に押し付けて隠れるようにさせ、足早に迷子探しを手伝ってくれたふりをする公安刑事と共に一階の建物裏に出られる部屋で元の服装に着替えて窓から脱出。今はホテル内は爆弾騒ぎの最中なのだ、刑事と一緒に出入り口から離れた場所にいてもパニックなんだと思うし、近場で脱出するものなんだと疑問視する状況でもない。だからそれはそれで良いとして、ジンに散々銃撃されて傷つけられた哀ちゃんは防弾服を着ていて無事だけれど、本来ならば全身血だらけの重症を負ってしまっている。なので本物の彼女を血糊を使って私がメイクしました、傷口をリアルに無香料の物を使って傷を再現。どのくらい凄いかって言うと、かつて潜入捜査を頑張っていた景光くんが真っ青な顔になるレベル。

そうだよね、惨殺されたご遺体に平然とできる新一相当ヤバいよね……。散々そうならないように色々言い聞かせてたつもりだけど、暴走しちゃう困ったさんだ。それに原作だと今の時点じゃ新一と哀ちゃんの関係性って冷めてるけどさ、お互い助けて助けられた状況なのにドライすぎる。

そんなわけで普通の喪服に戻った私達は後の始末やピスコ救出を丸っと公安に委ね、何事かと集まる一般人を遮る幾つものバリケードなどの物陰で人目をやり過ごし、漸く杯戸ホテルから二軒離れた道路で車を停めた博士と新一の元へ。哀ちゃんには私の上着を被せてます。何も知らない一般人は、血を見て騒ぎになっちゃう。因みに敷地から離れた避難場所で再び、今度は爆弾騒ぎの集団事情聴取も行われていた。

そんな騒ぎを尻目に私は血相を変えて後部座席を乱暴に明け、「姉さん?!灰原?!」と目を見開いて驚く弟を無視して乗り込むと、「どいて、前乗って!」と助手席に追いやった。すると急な事で「はあ?!」と混乱しながら私の態度悪さに文句言いたげで眉を吊り上げた弟は、けれど弱々しい息遣いの哀ちゃんを見てハッと黙り込み、大人しく助手席に移動してくれた。直様、博士がその場を離れてくれる。
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