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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



寧ろ自分の行動が新たに物事を悪化させてしまったと察して絶望感に苛まれるも、一先ず今は犯人特定が優先なのだと思い直して聞き耳を立てるのに集中すれば、三瓶さんの言動が目に留まる。うっかり事件の証拠かと気になって回収しに行ってしまい、見事に松田刑事と対面してしまったんだ。自ら見つかりにいった形になったオレは灰原の無言の睨みを甘んじて受けつつ、目の前にしゃがみ込んだ松田刑事に通報の事をどう誤魔化すか思案する。心臓の音が耳のそばで聞こえるくらい脈打って、全身の冷や汗が止まらない。



松田「ったくよぉ……ほら、さっさと拾ったモン出せ。とっくにあのおっさんが食っちまったもんでも、現場にあった物を勝手に取ってんじゃねぇよ」

コナン「は、はーい……ごめんなさい」

松田「こーいうのは捜査の妨げになんだよ、探偵だろうが心象が悪くなるから覚えとけ悪ガキ……。あぁ、それとお前らに話があんだよ。場所を変えるぞ」

コナン「えっ?!だけど事件がまだ、ボクここにいたい……!!」

松田「お前ボクっ子タイプじゃねぇだろうが、ここにいて気分が落ち着くってメンタルやべぇぞ?」

コナン「や、ヤッパリオソトガイイナァ……」

灰原「はぁ……」



サングラス越しにオレを睨んでる松田刑事がドスの効いた低い声で凄んでくるので、大人しく暗闇の中で落下して来たハンカチと、それに包んだ金属片を渡すと呆れられてしまった。しかも松田刑事によって周囲の視線まで集まってしまって居心地が悪く、そのうえ「話がある」と抱っこ体勢で捕まえられて会場の外へと連れ出されてしまった。たとえ今が幼児体型でも精神的には恥ずかしいし、事件から遠ざける気満々の松田刑事に嫌がってごねても却ってアウト判定だ。灰原の視線と溜息に一層心が痛くなる。



コナン「(やべぇなこれ、このままじゃ何も手掛かりが掴めねぇまま追い出されるかもしれねぇ!事件の犯人が組織の幹部かもしれねぇってのに!!)」



そう思っても形振り構わず暴れて動けないまま、廊下に出て来たオレ達は警察に扉の前で立ち止まりにされてる何十人ものマスコミ陣営に圧倒された。恐らく事件を嗅ぎつけて聞き込みの為に待機し始めていたんだろう、扉を開けた瞬間に幾つもカメラのフラッシュが輝いた。松田刑事は必死な記者達に詰め寄られながらも無視を続け、オレ達を連れて別の階まで移動してくれた。
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