• テキストサイズ

(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



それからは長時間残れる重要参考人を覗き、絶対外せない用事が入っている人達は連絡先を控えて一旦離れてもらい、不安で精神的に参った人や気分が悪くなった人達も連絡先をもらって、同伴者・知人に病院や自宅へ送られて行った。勿論、重要参考人の中にはピリピリしていて帰りたがってる人達もいたのだけど、揃って用事はないし「それで変に疑われたくない」という思いから嫌でも帰っていく人達はいなかった。なので警察側もそういう不安や心配を待たせてしまっている事に申し訳なさがあるようで、その後の捜査や再聴取では非常に辿々しい態度だったのは言うまでもない──────









──────新一side

やらかした、と気づいた頃にはもう遅い。目の前に老若男女を問わずファンを虜にしてきた愛らしい笑顔を浮かべる姉を見た途端、思い出したのは両親や博士との約束と、毛利家を居場所にして生じる多くの厄介性……。正直、姉さんに指摘されるまで潜伏生活中の自分がキッドキラーで有名なのを忘れていたし、両親の影響で英才教育を受けていながら場違いな格好で潜入出来た気でおり、自分だけ事前に報告や相談を怠っていた。(因みに最後のは代表者がやれば良いんじゃねえかって思ったけど、前にそれ言ったら『多方面の意見や報告は気づきがある』って言われて事情聴取が正にそうだと納得した。)


しかも盗聴器を仕掛けておいて証拠を録音出来ておらず、普通なら目に入らない場所に設置した盗聴器を見つけられている。それは、つまり気づかれる切っ掛けがあったのだ。幾ら目につく証拠を消しても万全じゃない、すっかり失念していた。それに喪服をもらって偲ぶ会に潜入出来ても犯行自体は阻止出来ず、被害者が死亡せずにすんだのは良いが、目暮警部が通報者の存在を漏らして疑われ、終いには三瓶さんが口から出した物を回収した時に松田刑事に見つかってしまったんだ……。まぁ一応は姉さんの連れって事になったから見つかったのは大丈夫だけど、こうも立て続けに想定外の事態に直面すると精神的に参っちまう……。


すっかり黒ずくめの奴らと遭遇出来て追跡したけど途中から目的は犯行阻止に切り替わっていた。もしや博士や灰原が危険だと怒っていたのは、行き当たりばったりな行動が判断不足だと考えてたのか……。当時こそ博士も灰原も臆病とさえ思っていたが、懸念された通りになった今では居た堪れない。
/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp