(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第36章 漆黒の葬列 前編
幸いその階の廊下には誰一人としてスタッフも客人もおらず、漸くその場に降ろされたオレは目の前にしゃがみ込んだ松田刑事が口にする内容に「やはりか」という思いで表情が強張った。
松田「そんじゃまぁ、聞かせてもらうぜ。探偵見習いの坊主よぉ、今回の事件の通報したのはテメェだな?」
コナン「なっ、なんのこと?」
松田「誤魔化すな。逆探知した場所で当時の防犯カメラのを調べた刑事からの連絡だ、通報前後にお前の姿が映ってたぞ」
コナン「……っ、」
さっき会場で灰原に言われて危惧した通り、警察はオレを通報者として特定していたのだ。正直、トイレ周辺の防犯カメラまでは確認していなかったので、警察に色々詮索されるピンチに唇を噛み締めると松田刑事の眉間に深いシワがよる。
松田「……ただ良心で犯行を阻止する為に通報し、被害者の命が助った奴がする顔じゃねぇな。普通はちょっとぐらい安心する所だろうが……、なぁお前、なんで機械音声で警視庁に連絡した?」
コナン「何でって……、だって博士は途中から一緒でその時の会話は知らないんだ、証拠に録音もしてなくて、子供のボクじゃ適当にされるだけだし……」
今はそう、オレは小学生の江戸川コナンだ。素直に通報したって警察は真面に相手にしないだろう、だから機械音声で通報したんだ。まさか灰原達を待たせて急いでたのもあって、機械音声故に不審者として疑われたり、警察に短時間で特定される懸念は考えてなかった。気落ちするまま顔を俯かせて白状したオレの声はか細くなったが、十分に聞こえたらしい松田刑事は頭を片手で掻きむしりながら脱力する様な深い溜息を溢す
松田「……なるほどな。確かに小さいガキの通報なんて殆どは緊急性のねぇ些事が多いが、本当に危険な状態で通報してくるガキもいる。それこそお前ら少年探偵団がその部類なのは、オレを含めて捜査一課が経験則で分かってらぁ。俺らの中の誰かに電話しても良かっただろーが、何の為の連絡先だよ」
コナン「!!えっ……」
松田「米花町は厄介な事件が多い。だから警察は通報者が誰でも、まずは絶対に情報の信憑性を確認すんだよ。なのに真面な通報の仕方をしねぇんじゃ、犯人からの犯行予告か悪戯かって疑惑もかかるし印象も悪くならぁ。坊主もそれは想像がつくだろ」
コナン「そ、うだね……気をつけます……」
