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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



三瓶さんは太眉で頭を丸刈りにして如何にも気難しそうなご老人だけど、集められたメンバーには黒の組織の幹部・ピスコこと白髪で眦の下がった一見無害そうな老人の桝山憲三もいるのだから、人は本当に見た目じゃ分からない。

……あっ、ピスコと哀ちゃんが一瞬アイコンタクトしてる。味方しか分からない合図とか、意思疎通って大事だよね。そしてコナンは組織の人間の特定に夢中で全く気がついてない、周囲も足元で周りを見回す子供は親を探している程度の認識だろう。此方もベルモットがすまし顔を装っているけど、



椎奈「……大丈夫クリス?」

クリス「……ええ、貴女の方こそ大丈夫なの?」

椎奈「私は見えてなかったし、被害者が助かってる分気持ちは楽かな……」

クリス「……そうね」



そう、本来ここで死んでいた筈の呑口議員を、死なせないように出来たのだ。これは陣平くんと航くんが裏で動いてくれたおかげだ、ピスコもシャンデリア落下で命は助かるように位置を調節していたし。とは言え、この後も追撃が無いとも言い切れないので、今はまだ安心出来ないけれど一先ず喜ばしい結果である。被害者は救急車が来ると応急処置をしていた高木刑事とその他二名に同行されて、警察病院へと搬送されると現場の刑事は、離れた場所で集まった参列者達の事情聴取に取り掛かったのだ。



目暮「……では貴方方ですかな、シャンデリアが落ちた時、被害者の一番近くにおられたのは……」

俵「ええ……」

目暮「その時、彼のそばで不審な行動をする人物はいませんでしたか?」

俵「それどころじゃありませんでしたよ……。危うく私も下敷きになるところでしたから……見て下さい!シャンデリアが背広を掠めてホラ……」

クリス「そんな人は見てないわ」

椎奈「私もです、変な音は聞こえたけれど……」

目暮「変な音?詳しく話してもらえるかね椎奈くん!」



危うく命拾いした俵さんはうっすら冷や汗を流しつつも、目暮警部の質問に対して周りを見るどころじゃなかったのだ、とシャンデリアが掠って破れた背広を見せている。次いで俵さんの真横に立っていたクリスも不審者に覚えはないと否定していて、私は素直に事件当時の違和感を口にする。すると目暮警部が今にも掴みかからんとする様な勢いで身を寄せて来て、期待か篭った懇願の目で見つめられた。
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