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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



コナン「気をつけろよ……。発信器を仕掛けた主がここに来る事ぐらい奴らにも読める……。お前が関わっている奴らに感づかれたら……」

灰原「……ええ、分かってるわよ。奴らがその辺の悪質な悪戯か、組織に敵対する警察組織が仕掛けたと思ってることを祈るわ……」




全て小声での会話だ。廊下の角からこっそり顔を出して受付の様子を伺う工藤くんに、今はまだそんな彼の存在を気づいている人物はいない。私は工藤くんの後ろに並んで自身の首元、服の下に隠して着けてる盗聴器と発信機付きのネックレスを握りしめる様に触れた。実はジンの車を見つけて工藤くんが何か行動し始めた時から、この盗聴機能をONにさせて公安に私達の現場状況が伝わっていたのだ。


そしてジンの愛車が発見された事を私から専用端末のメールで連絡を送った私やお姉ちゃんの担当、風見刑事からのメッセージは要枠すると『杯戸シティホテルで宮野志保を死亡偽装する』という衝撃の言葉。実は数日前に近辺を警戒するという意味合いによって、潜入中の降谷さんの情報を教えて貰っていたのだけど、組織は杯戸町で標的殺害を古参幹部ピスコに命令していて、更にボスはジンにピスコの抹殺命令を下しているそうだ。ピスコは長年組織に貢献していた実績があるけど、今や組織にとってピスコは用済みの存在になったらしい……。そこで降谷さんがピスコへ司法取引を持ち掛けたらしく、組織に関する情報の提供を引き換えに、アイリッシュ(米国出身の男ですって)も含めて身柄を保護する契約を結んだ。そして暗殺される幹部・ピスコの最期の任務が、杯戸シティホテルでの議員殺害だったのだ。


だから「絶対に自ら関わらない」「近辺を彷徨かない」という注意を受けて、一般人の彼が巻き込まれないようにしたかったけれど、まさかここまで工藤くんが突発的に躊躇いのない行動をする子だとは思わなかった。老体の博士まで碌な説明もお礼もなく荒々しい態度でこき使った挙句、周辺の人目や追跡対象の犯罪心理も考えず、私と博士の意思を無視して振り回すなんて……。


けどまぁ工藤くん本人は影での自身の姉や協力者達の暗躍を知らず、躍起になってる組織の犯行を自分しか防げないと思ってるんだから無理もないかしら。それに「頼れ」感満載でドヤ顔してるけど、工藤くんは相手がどれだけ血も涙もない組織犯罪者か理解出来ていない。
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