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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



「彼の物と決まったわけじゃない」そう言いかけた灰原の声が途切れたので、不審に思って顔を向けると『車道の向こうにジンが来た』と教えられたオレは、灰原と一緒に慌てて後部の車体の影へ身を潜めた。大当たりだった、会えて嬉しいぜジン。呼吸さえ浅くなる緊張感に冷や汗が流れ、何とかバレずに逃げれたオレ達は博士の車へ乗り込んだ。すると乗り込んで早々に、血相を変えた博士に怒鳴られた。



博士「なっ、なんて危険な事をすんじゃ!!新一くん、昼間の大通りじゃぞ?!」

コナン「大丈夫だったろ!それより車間を明けて追跡装置で追うんだ!この車を知られたら洒落にならねーからな……」



助手席に座ってる横から説教されるのを遮る様にそう言い返し、追跡装置になっている眼鏡を起動する。眼鏡は対象がいる方角や距離も精密に分かるよう表示され、絶対逃さねーぞとの思いで博士に反論の余地なく奴らを追跡させる。すると今はそういう状況じゃないと分かってくれたのか、重たい溜息と共に黙って愛車のビートルを発進させてくれた。そうして距離を保ってるおかけで聞こえる盗聴中の会話に必死に耳を澄ませるオレだが、そんな決死の努力を後部座席から灰原に「無駄よ」と一蹴された。




灰原「彼らの居場所を突き止めた所で、どーする事も出来ないわよ、こんな体じゃ。貴方分かってるの?今、自分がどんなに危険な行動をしているか……」

コナン「うるせー黙ってろ!!!」

灰原「……」



博士に続いて灰原からも俺を責める様な説教を、聞き取り辛い会話を聞こうと夢中になってる時に何度も言われ、咄嗟に怒鳴り返したオレは冷静じゃいられなかった。何せ殺されかけた相手だ、奴らを尾ければ組織のアジトに、解毒薬に辿り着けるかもしれない。なのに垂らされた糸を掴んでひたすら足掻き続けたいオレを、横からあれこれ注意されても鬱陶しいだけだった。会話も聞こえない。


だけど険悪な車内で灰原も静かになってくれて、改めて会話を聞こうとすると電話の音が。『ターゲットは18様ちょうどに杯戸シティホテル』、『別れの会になる』、『奴の手が後ろに回る前に口を塞げとの命令』だとジンの声が電話の相手、コードネーム・ピスコに告げているのを耳にした。灰原もピスコの名前だけは知ってるらしいが、肝心の姿を知らないらしい。


そして、何故かいきなり発信器と盗聴器がバレて壊された。
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