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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



コナン「ここは自分のいるべき場所じゃない……。この子達を巻き添えにしない為にも、早くここから消えなければ……。なーんて、くだらねー事考えてんだろ?」

灰原「!!……ええ、その通りよ。バレればあの子達を殺される、他にも大勢の人達がね。なのにああして事情を知らないとは言え、泣かれるほど関わってしまった……。私には少なくとも下らないって一蹴できるものじゃないのよ……」

コナン「……そっか。そうだな、悪い」



初手から発言を誤ってしまった。灰原の探偵団の子達を巻き込んでしまった罪悪感はよっほどだ。教室でその時のやり取りや彼女の表情、葛藤する気持ちを察しておきながら、「下らない」の一言は言葉の綾でも酷いものだと言い返されて気がついた。そして本音を俯いて隠すことなく、自分の気持ちを口に出す彼女に少しは居心地良く感じているのだとホッとする。それはオレに対してだけじゃない、灰原を取り巻く今の環境も。嗚呼、やっぱりオレには普通の励まし方は向いてない。すぐに謝ったオレはサッカーボールをリフティングし続けつつも、気を取り直して暗い顔をする灰原に言葉を重ねた。




コナン「まぁでも、大丈夫だろ。薬で体が縮んだのんて夢物語、普通誰も信じねーし思いつきもしねーよ!バレない為にも、このまま小学生を演じ続けなきゃいけねーんだ……その時がくるまでは。心配するなよ!ヤバくなったらオレが何とかしてやっからよ!」




最後にボールをトリッキーに操って後ろ足で蹴り上げたボールを手にして笑って見せるも、灰原の不安や懸念がマシになってる様子はなかった。寧ろ物言いたげな視線を向けられていたが、灰原の顔を伺ったりしなかったオレは知る由もない。しかも口を開けば組織の話じゃなくて、「それはそうと貴方、人混みでサッカーするのは迷惑だからやめなさい」と呆れた口調で注意された。確かにすれ違う人達がオレを避けていくし、ちょっぴり周りの視線は感じていた。


言われて初めて原因に気づいた、恥ずかしさのあまり顔が熱くなってボールをぎゅっと抱き締める。腕いっぱいのその大きさが今は少しの救いだと思った。そうしてる間にも探偵団のアイツらとの分かれ道までやって来て、バイバイまた明日と三人が横断歩道を渡っていくのを背にオレと灰原も家路を歩いていく。




灰原「(工藤くん……貴方何も分かってないのね……)」
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