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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第36章 漆黒の葬列 前編



風間「えっと……、話を戻します。宮野志保と桝山憲三には阿笠博士に発注している、血糊も備えた防護チョッキと防護帽子を渡しておきます。志保さんは監禁された酒蔵内で受け取ってもらうんですが、あくまでピスコとの司法取引が成立した際の作戦ですので。プランBとしては、我々公安の者が彼女自身の発信機と盗聴器での情報を元に、桝山憲三のいない間に防護服一式を渡すつもりです」

諸伏「うん。恐らく現場の状況と事前情報からして発信機や盗聴器を調べられるリスクは無さそうだ。まぁ当然、組織も新一君も油断は出来ないけどね……」

伊達「信じろ。俺と松田が必ず探偵坊主の無茶を阻止して、支障が出ねぇようにするさ」

松田「班長の言う通りだ。任せろ、ヒロの旦那」



ニヤッと不敵な笑みを浮かべる航くんと陣平くんの頼もしすぎる発言を聞いて、景光くんもニィッと口角を上げると「任せたぞ」と笑い合った。そして次に景光くんが私の方に顔を向ける。



諸伏「それでもって椎奈、君は女優として酒巻監督と交流があったし、多分葬儀に招かれ出席する事になる。会場でクリス・ヴィンヤードの監視と、事件後は新一くんが単独行動しないように側にいてくれ」

椎奈「ええ、分かってる。クリスはこれ以降日本にいるし、新一も私達の言葉でどこまで心変わりしたか気になるし。何かあったらすぐに知らせるよ」

諸伏「ああ、頼む」



そうして何日も弁論を重ねた後日、やはり私の元に酒巻監督の葬儀に招待する文が届いたのだった。









──────新一side

それは漸く訪れた待ちに待った手掛かりだった、チャンスを逃したくなかった。


東北じゃ珍しく雪が降っている登下校時、今では当たり前に少年探偵団と帰路を共にしたオレと灰原哀。今日、彼女は冷たい態度で歩美達に「ここから消えてしまいたい」と本音を漏らし、「転校するの?」と泣かせてしまっていた。一応その場では「冗談よ」と言って笑って見せていたけど、オレは流石に騙されてやるわけにはいかない。生憎、誰かを慰めるとか励ますなんて得意じゃないし、灰原の様な壮絶な過去をもった人と向き合った機会は無いので、何を言えば良いのかわからないんだ。


だけど、あれから博士と一緒に匿っていくと決めた身として、これだけは伝わってほしい。
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