(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第36章 漆黒の葬列 前編
と言うのも降谷さん情報によると、ピスコや彼の可愛がる幹部・アイリッシュの耳に入らぬ陰で、ジンが幹部相手に大っぴらに吹聴しているらしい。『オレにピスコの抹殺命令が来た、あの耄碌じいさんもここまでだな』と自慢げに噂しているらしく、証拠に録音するのも容易かったそうだ。ジンの残忍さを組織で知らない人間はいないぐらい有名故に、ある意味で信憑性の高い証言なのである。思わず正直すぎるジンに「貴方子供なんですか?自己顕示欲強すぎません?」と呟いてしまい、怒らせたとか。煽りよる。
風見「ですので既に組織での居場所を失くし、ボスとの信頼関係が偽物なんだと桝山憲三に突きつけます。流石に自分の命が危うい状況であれば組織に尽くす意味もない、交渉は成立し、我々は組織の情報を得られます。ですから問題は事件の際に灰原哀にはコナン少年との連絡を止めてもらい、会場は爆発物があるという偽情報で封鎖し、現場からコナン少年や組織にバレずにピスコを速やかに保護することかと」
諸伏「そうなんだよなぁ〜……。コナンくんは周りを構わず無茶をするから、必ず会場の外で阻止しなきゃならない。ジンは自分が警戒する奴の始末を他人に任せる場合、やたら念入りに確認しないと気がすまない男だ。ピスコの事もそこまで失脚を喜んでるならお察しだな、アイツは躍起になって殺しにくるぞ、些細な違和感にも敏感だからな」
椎奈「……まぁそれは車内の髪の毛を宮野志保だと断定したので納得ですよね。ニコチンアル中加虐趣味下剋上上等光源氏計画破綻者とか、いくら犯罪組織の幹部でも属性盛りすぎ……と言うかヤバい、色々クズだ」
「「」」
あくまで凶悪幹部・ジンの察知力・残虐性を自分も真面目に発言していたつもりなんだが、あまりの字面に自分だけじゃなく五人の顔からスンッと表情が抜け落ちる。途中からジンにドン引きだった。勿論、下剋上好きがピスコ暗殺の件を指し、光源氏云々が志保ちゃんの話である。きっと今、この瞬間から、私達の中でジンは『最低最悪の性癖保持者』に成り下がった。そして、私は知らない。今日の自分の容赦ない発言が原因で後日、ジンを知る数多の人間の腹筋にボディブローをキメることを。──────
閑話休題。ジンの性癖はどうでもいいので、ごほんっと一つ咳払いした風見さんが、混沌とした会議室に軌道修正を図ってくれる。
