(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第36章 漆黒の葬列 前編
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何このツッコミ所満載な事件。四人の声が重なった。場所は警察庁公安部内部、メンバーは零くんを除いた警察学校組と私、更に零くんの代理で風見さんだ。いつもの席に座って、いつかと同じく頭を抱えてる。因みにツッコミ所と言いつつお笑い的な賑やかさなど無く、ここ、会議室内は全員の放つ不機嫌オーラで冷房も着けてないのに超極寒。
萩原「待って待ってコナンくんやばい!もしそれ組織の人間のじゃなかったらただの犯罪!!証拠消すとかプロの犯行!!」
松田「アイツ……、マジで、何やってんだ?組織のやばさを知ってる嬢ちゃんを無視して、博士まで巻き込んだ挙句!」
伊達「……あのおチビ、それこそ復讐心だって理解しての行動なんだよな?現実じゃ個人を特定出来るほど科学は発展してる、本当にやったら容生存してるのバレちまうぞ。嬢ちゃんの後悔とか罪悪感とか、何より具体的な説明もなく博士を死地へ呼ぶなんて、」
椎奈「正直、あの子が何処まで自重出来るか分からないの……。確かにDNA鑑定や個人情報なんかの特定できる機材はあるし、自動車や電波機器の性能も格段に向上してる。だけど周りの優しさに甘えてる自覚も無いし、ぶっちゃけ自己中な性格は変わってないし……注意して初めて失態に気づく辺りが、本人も自覚があるのに治らないのよね……」
「「ああ……」」
全員が思わず遠い目になったのは無理もない。
伊達「まぁとにかく、この事件の改善点はこれだな。コナンから証拠品を回収する、メディアの暴走を阻止する、シェリーの死亡偽装、それに可能なら公安が裏でピスコの死亡偽装と逮捕……。まぁ最後のこればっかりは、潜入中の降谷が任務を横取りするか、公安の捜査任せになりそうだがな……」
諸伏「ああ。ジンはトリガーハッピーなんて陰口があるほど恐ろしく、イかれた奴なんだ。シェリーに対する執着も異常すぎる……」
風見「ええ。降谷警視もその点を非常に懸念していますし、ピスコこと桝山憲三についてはジンが始末の機会を伺っているという、本人が漏らした情報も確認しました……」
よって、降谷警視からの作戦内容をお伝えします。眼鏡をブリッジを利き手の中指で押し上げながらそう言った風見さんは、まずは何と『ピスコに自身の暗殺の危機を告げて自首するように仕向ける』と言う。既にその為の情報や証拠は収集していたそうだ。
