(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第35章 お怒り刑事と少年探偵団
叱られてすぐに謝る大人しくなった子供達に、梓も慌てて自分も歩く時にお客様との接触を気をつけないとと肝に銘じる。そうして再び光彦のコナンの親戚が誰かという話になって、園子が椎奈を見やるとマスクを外して頷いた。話すか否かのお伺いで本人からOKが出ると、園子は子供達に怖い顔で振り返ってビクッと肩が震えるぐらい怯えられた。
園子「教えるけどねぇガキンチョ共、あんまり今日のこと言い触らしたら駄目だからね?!」
歩美「え?なんで〜?」
園子「この人も有名人なのよ。周りに『知り合いなら紹介してよ』って執念く聞かれて、その為だけに近寄られたり、この人に迷惑かける人達がいると嫌でしょう?」
元太「げっ!そんなの嫌だ!!」
光彦「絶対教えません!!」
歩美「約束守る!!」
三人はうげぇ、と嫌そうに顔を歪めながら園子達に誰にも言わない事を誓った。と言うのも、彼らは実はコナン経由で保護者代理の毛利家と共に園子と知り合った折に、正に彼女が忠告した様な状況に陥った経験があったのだ。如何せん何故か身近に有名人が多すぎる故にキッドキラー、高校生探偵、芸能人、名探偵、財閥令嬢と、仲が良い人達に「すごい」「羨ましい」の言葉欲しさに自慢しまくった。それで純粋に「いいなぁ」と羨んでくれた人もいれば、最初は嬉々として聞いてくれても徐々に無関心、或いはつまらなそうに「ふーん、で?」「最近そういうお話ばっかり、もう聞き飽きちゃった」となる人もいる。タチが悪い状況だったら会話を耳にしたらしい見知らぬ大人が、ファンだったらしい親戚が、近所の誰かや友達が、園子の諭した様に目の色を変えて己を見た瞬間もあったほどだ。
その時に感じた不快さや居心地の悪さ、物悲しい気持ちを思い返せば、あれこれ言い触らす事も嫌悪し自粛することを学んだのだ。そうして実際に苦い経験をしたからこそ、園子の忠告が大袈裟じゃないと分かっていたし、ちゃんと聞き入れて約束を守ろうととはっきり誓った子供達。園子は三人が理解の篭った返事を信用する事にし、改めて椎奈に「この子達は大丈夫ですわ」と口にする。椎奈も一連のやり取りを見て同じ判断だった為、園子と子供達を見回しながら笑って頷いた。
椎奈「……うん。此方こそコナンの友達に一言挨拶したかったの、出会えて嬉しいよ少年探偵団」