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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第35章 お怒り刑事と少年探偵団



「「えっ……」」


子供達は大きな目を更に見開いて驚いた、目の前で喧嘩された恐怖も吹っ飛ぶぐらいの衝撃を受けた。こうして松田から褒め言葉を貰ったり、ぶっきらぼうに感謝されたのは初めてだ。自分達は何も協力出来ていないと思っていた、現場で役立たずの子供だから説教されてるのだと思っていた。けれど、そうじゃなかった。




松田「それと、これを機に教えとく。お前らは今まで探偵団を名乗って色んな事件に干渉してたが、実際に探偵が刑事事件を仕事にするなら、それを認める国の許可証と警察からの依頼が必要になる。そんでもって探偵の役目は警察が捜査したものを元に推理してもらうだけ、事件を直接捜査したり犯人を自ら逮捕するような警察と同等の権限は無ぇ。まぁ要するに簡単に言うと、探偵はただの一般人だ」

「「「えぇぇっ?!」」」

光彦「そ、そうなんですか?!」

元太「知らなかった……」




松田の発言に騒然となる子供達。誰にも教えて貰えず、知らなかった探偵の常識は驚きと後悔の連続であった。


探偵になるには国家の認定試験が必須であること、他にも運転免許や学力的な資格もあった方が為になること、探偵の仕事は浮気調査などの地味な仕事であることなど。事件現場に立ち入れるのは警察官と検察官、それ以外の捜査介入や横槍をいれる言動は公務執行妨害にあたり、犯行時の現場保存が不可能になること、犯人でなくとも他者が踏んだり触れた証拠は不十分となる。裁判では、他者に壊された物的証拠は力を持たない。


犯罪を確実に現場や捜査に干渉出来ない裁判関係者達が裁ける資料が無くなってしまうと、被害者の無念や家族の怒りは報われず、実際よりも刑罰を軽くせざるを得ない恐れがあったのだ。それに事件や事故を通報するのに際し、被害者の生死を判断するのは現場に駆けつけてくれる医者の役目であって、その場の人間はできる限り救命・蘇生を頑張ってほしいのが理想である。


そして子供達には難題過ぎて言わない事だが、警察にとって探偵の『推理ショー』も疑問視される。犯罪は決して真相が判明したら終いではない。探偵は犯人が逮捕されると終わりなのだが、警察の仕事で大変なのは人的被害や物損などで本当の意味では一生癒えない、当事者達の複雑な感情や環境と向き合う事だ。故にニュースでは探偵が活躍した事件は報道する際、相当気を遣って放送している。
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