(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第34章 浪花事変(事件はないよ!!)
まさかお詫びの提案だったそれで新たなトラブル、予想外な出会いが舞い込んで来るとは思わんかったけどな……。やって幼馴染の和葉が工藤新一に会いたがっとんのを片思いやと勘違いしたり、それでオレが唆かれとる思い込んでずっと尾行しとったり、毛利蘭を工藤や思って突っかかるとか訳分からん。流石に心底呆れてもうて庇いようがなかったし、そこへ間が悪いことに工藤椎奈と緑川いうマネージャーはんまで現れた。
以前のお詫びの筈が状況は最悪になってもうたし、一連の話を聞いた和葉も当初は信じられんって言いたげやったけど、終始黙り込んどるオレにホンマにやらかんしたんを分かって顔面蒼白になっとった。これはしゃーない、悪気が無くても暴走しとった和葉が悪い。全部を知った和葉はすぐに毛利蘭に頭を下げて謝り、オレも何日も前に私情で大騒ぎしたのを偶然面会出来たお姉さんに謝った。そんなら逆に毛利蘭は和葉に自分も泣き喚くんは過剰やったって謝りおったし、工藤の姉ちゃんと小五郎のおっちゃんには「反抗期あるある」なんて言われてもーた……。
自覚せざるをえへん、複雑やけど、何も言い返せんかった。何せ「オレを馬鹿にする大人を見返したい」と、「子供扱いが煩わしい」と、そう思ってムキになって反抗してたんは事実なんや。せやけど工藤の姉ちゃんはオレの態度の悪さを知っとるにも関わらず、「弟に会うな」とは言わずに寧ろ「会えない事情があって、申し訳ない」って逆に謝られてもーた。工藤は家に帰れへんどころか学校に通わず、家族や友人、関係者全てと連絡を絶って、マスコミに姿を現さず、事件を解決しに出て来ようとしとらん。その事も聞きたい一心で東都に会いに行ったんや、その時は何の収穫も無かったけど……。
何でや……、何で会えへんねん……。どう考えても隠れて生活し続けるのは只事やない、まさか難事件が解決出来へんくて忙しいんか。そう思い至ったオレの胸中を占めたのは安堵と競争意欲、まぁ要するに「これを解決したら工藤に会える」、「優秀なんは自分だけやないって教えたる」ってアホなこと考えとった。そしたら尋ねた甲斐あって、触りの部分だけ教えてもろーた。多分東都での行動力が意地でも調査しそうと思われたんやろう、苦笑いで懐かしそうにされたんが不思議やった。