• テキストサイズ

(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第34章 浪花事変(事件はないよ!!)



もちろん彼女が出演するのはミステリー系統だけじゃなく、恋愛ものや家族愛もの、金銭・人間関係のトラブルもの、ホラー、人気な漫画の実写ものなど様々で。勿論、芸能活動ばかりで世間から持て囃されとるわけやなく、被害者・被疑者のアフターケア施設に寄付や経験も行い、ぶっちゃけ本職やない姉の社会貢献もおもろーないのが本音やった。


おまけに両親の推理力は国内外で評価され、(母親の方は父親の推理を喋っただけとは知る由もなく、)彼らの活躍で難事件や時効間近だった事件があっという間に猛減少。現在、警察には民間人の怨恨・トラブルによる事件の発生を防ぐべく、気軽に相談出来る専門窓口もあるほどだ。たとえそこで言えなくたって施設や一般業務の探偵がいるし、SHINAがメインパーソナリティの元刑事・元弁護士・元検察を交えた匿名依頼番組なんかもやっている。実際に沢山寄せられる話題の殆どが軽犯罪、重大なもの、身内・政治家の不祥事、近所迷惑やそれ未満で警察が取り扱い辛いものまであって、素早く本職に引き継ぎされて解決される。番組に来るのはもっぱら金銭面で苦しかったり、ただただ苦悩を吐き出したい者(もん)が多く、そういう人らがぎょーさんおるのを思い知った。


そして世間ではオレら高校生探偵を含め、刑事事件を引き受ける探偵達を散々持て囃しとった奴らも、結局そういう儘ならん事情に理解と共感を示し、依頼を渋る人らが増えて仕事量が減ってもた。その一方で警察は組織全体で国民の信頼と威厳を強めようと一層熱入れて頑張っとるし、近年で一気に探偵いらずの逮捕率が急上昇、交番や相談係の態度も丁寧になってそこそこ好感触らしい。まぁオレと和葉の親父や馴染みの大滝刑事さん曰く、「警察として当たり前の仕事やし、まだたアカン」ってニコリともせんかった。言葉の通り、一切の妥協も許さんと言わんばかりに。確かに東都や大阪なんかの局地的な成果はともかく、日本全体はまだまだ『警察より探偵の方が支持率が強い』みたいやし……


それで思わずホッと安心してもーたのは屈辱的やった、こんな情勢の中でも同じ肩書きのオレより有名になっとる工藤新一が、本人の言葉と家族の威厳で社会全体を変えた工藤椎奈が気に食わんかった。嫌いなんてもんやない、醜い妬みになっとった。でもそんな過ぎた感情に気づいた時には、既に東都で問題を起こした後やった。

/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp