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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第34章 浪花事変(事件はないよ!!)



平次「っ……!!」



私が見せた返事を読んだ服部くんがハッと画面から顔を上げて私を見、予想外であろう深刻な発言に呆然と座り込んでいた。己のライバル・新一が被害に遭ったと聞いて熱意と衝動に駆り立てられた様子だったが、さっきの私の文面を読んで軽率に踏み込んじゃいけないと理解してくれたのだろう。彼は原作世界でも結局コナンの忠告を聞いて退いたので、推理については貪欲ながら肝心な時には懸命な判断が出来る子だ。とは言え、何故かコナンの本名だけは本人に注意されようと口にし、組織関連でコナンに協力した事もあるので考え無しな部分もある。



平次「……そんなに(危ない事件なん)か?」

椎奈「ええ」



もう一度確認してくる問いは声も顔も緊張気味で、私も短く是を返す。すると服部くんは緩慢な動作で隣の幼馴染である遠山さんに顔を向け、次いで行方不明の新一について知らなかった毛利親子を見つめ。再び私と向き直った時にはもう先程までの能天気さや、ともすれば助けを求める声を欲(ほっ)し過ぎる危うさは消え失せ、あれ以上詰め寄る事を断念してくれた。



平次「……なるほどなぁ。結局工藤の事は詳しく分からんまんまやけど、家族で秘密にしときたい事もあるっちゅーこっちゃな。思えば意地でも探し出したろう思って暴走したけど、あれで親父に『相手にも都合があるから押し付けはあかん』っちゅー当然のこと言われてな。会えん事情があるんやったらしゃーないし、会える時期まで諦めときます」

和葉「平次……理性ぶっ飛ぶぐらい頭に血ぃ上っとったんやな……」

椎奈「そっか……。此方の都合で本当に申し訳ないけど、納得してくれてありがとう。それと今後に新一の同意があって、推理勝負によっぽど拘ってるんなら、うちの父親に頼んで難しい謎解き問題用意して貰えばいいんじゃない?多分嫌とは言わない筈だし、寧ろ面白がると思うから」

平次「あっ、それはおおきに」



何とか私達に詮索せずに納得してくれた服部くんへ、私が序でに提案してみた気兼ねない推理勝負のスタイル。彼は前向きに検討する気でいるのか、にかっと快活に笑って礼を言う声は明るく弾んで嬉しそうだ。これでもう実際の事件で推理勝負するのは阻止出来たかな、あれはフィクションならセーフだけど不健全だしね。先手を打ててよかった、と密かに胸中でひと安心。
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