(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第34章 浪花事変(事件はないよ!!)
小五郎「そーだぞ坊主、嬢ちゃんも気にせず元気出せ!別に取り返しがつかねぇ事態じゃねぇんだ、『もうしません』で終わりでいーんだよ!反抗期は色々イラつくもんだしな」
「「!!」」
私に続いた小五郎さんの大雑把ながらも優しい言葉に目を見開いた服部くんと遠山さんは、反抗期で片付けられて何とも言えぬ複雑そうな顔を見合わせたものの、ホッと安心した表情で「ありがとうございます」と頷いた。そうなれば謝罪も終了だ。それにしても思いの外、原作よりもキャラ達の言動が現実的になっていて、漫画やアニメとは違うんだなぁと思わされた会話となった。なので内心でほっこりしつつも自分が注文していた豚肉入りの定番なお好み焼きへヘラを伸ばした時、「あっ」と何かを思い出してぽんっと手を打ち声を上げる服部くん。
平次「そーいえば工藤……、のお姉さん、弟の新一は何処におるんです?」
椎奈「新一?……ああ、そういえば貴方、あの子を訪ねて来たんだっけ?だけどごめんね、私や両親もあの子を差し出すべきなんだけど、新一とは会わせてあげられないの」
和葉「え?」
平次「……何やそれ、どういうことや」
申し訳ないけど新一の居場所を教えられないと断った私に、遠山さんが不思議そうに驚く隣で服部くんの表情がすぐに険しく変わる。どうやら探偵として何か事情があるのを察しているのか、敬語も忘れた低い小声に説明を求められる。すると控えめな子供の声が「椎奈姉ちゃん……」と呼んできて、焦りと不安に駆られるコナンと目が合った。
何て顔してるの、相手に余計勘繰られるじゃない。やれやれ、なんて呆れて溢れる深いため息を苦笑いで誤魔化して、何も言わずに鞄から出したのはスマホ。そして全員が首を傾げる中でメモ帳アプリを開いて文字を入力、出来た長文を「服部くんだけ読んでほしい」と伝えて開示した。
──────声に出さずに黙って聞いてね。新一は今、凶悪事件の被害者になって人前に出られず、誰かと会話・交流するのも出来ない状態になっている。だから学校は休ませてるし、家は留守、音信不通。何時まで捜査が掛かるかも分からず、無期限だから今後絶対にあの子について騒ぐのだけはやめてほしい。家族が傷つけられるのはとても苦痛です。口頭だと言うのも辛いし周りに聞かれる為、文章で伝えました───────
