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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第34章 浪花事変(事件はないよ!!)



蘭「えっ、違いますけど?」



私を睨め付けて身を乗り出したその女の子は、コナン君がその手をワタワタさせるのを無視してそう言った。私、『工藤』じゃありませんけど。違いますけど。すかさず即答すると女の子も一瞬「へ?」とその目を丸めて驚いたけど、逆に私の冷静な返事が彼女を尚更怒らせたのか一層その目を三角にして鋭くなる。



和葉「そんな見え透いたウソ吐くんちゃうわ!!アタシはちゃんと見てたんや、あんたとあんたの家族が平次と一緒におるの!!」

蘭「う、嘘じゃありません!!た、確かに服部くんには大阪観光の案内してもらってますけど、これは彼のご厚意で……」

和葉「そうやって平次の優しさに漬け込んだんやろ!!家族まで巻き込んでからに……、まさかもう平次と付き合(お)うとんか?!」

蘭「だから、だから違うんですって!!聞いてください!!」



とんでもない勘違いをする女の子の勢いが凄すぎるあまり、私達の間に挟まったコナン君は何も言えず、お父さんは何だ何だと注目してくる周囲に何度も頭を下げて「すいません」と謝っていた。本当にもう勘弁してよ、と事実と掠りもしない思い込みに不満が溢れ出す。彼の言う『工藤』は高校生探偵の新一の事だし、女だと思ってるって事は多分碌に相手を確認してないし、ここまで言われる熱量を新一に向けているなら友達か同性愛か怪しい。しかも飲食店の中で堂々と、敵意を剥き出しにして攻撃的な話し方、必死に否定しても興奮していて聞いてくれない。


視界の外では服部君が慌てて駆け寄って来ていたのだけど、私はもう好き勝手に勘違いされて限界だった。さっきから違うと伝えているのに、一方的に言いたい放題で受け身になるのが服部君の時と重なって、新たなトラブルに泣きたくなった。



和葉「アタシと平次はその昔、『鉄のクサリ』で結ばれた仲やねんから、平次にちょっかい出す時はアタシを通してからに……」

平次「ちょお待て和葉っ!何でここにおんねん?!」



服部くんが血相を変えて私達の間に割って入り、和葉と呼んだ女の子の肩を掴んで止めた。同時に、私はとうとう我慢出来ずに目から涙がぽろぽろ、恥ずかしくもぐずぐず泣いてしまった。



蘭「もういや!何でこうなるの?!私は毛利蘭って名前があるの、力はあるけどれっきとした女よ!彼が言う『工藤』は推理が大好きな男なの!私じゃないのに!」
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