(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第34章 浪花事変(事件はないよ!!)

──────蘭side
その日は数日前に少々トラブルになった新一と同じ高校生探偵の服部平次くんが、ご丁寧にお詫びとして彼の地元の大阪に招待してくれた。一度も大阪に来た事がない私達の為に、服部くんが観光を勧めて案内役になってもらい、改めて「この前は色々すんませんでした」と丁寧に謝ってくれた。あの後、幸いお酒を飲んだコナン君の肝臓は無事で、事務所の怒鳴り声は部屋を閉め切っていたから近隣の迷惑にならず、事件では注意された後は刑事さん達と真摯に捜査していたし……。何より初対面のあの日の出来事はケジメと思って全てを、私達との騒動や事件現場で注意された事を服部君が自ら両親に伝えて何時間もの説教を受け、後日に事務所へ父親からの謝罪の電話があった。工藤家のご近所でも聞き込みがうまくいかず、怒鳴って迷惑をかけたりもしていたらしい……。
だからコナン君自身も全く気にしてなさそうで、「大丈夫だよ」とにっこり笑って平気そうだ。父さんも適当に見えるぶっきらぼうな態度で「反省してんならもういいって」と、顔を顰めて湿っぽい空気を散らすかのような素振りで軽く手を振って。私も彼が反省してるし何日も前の話だから当時の怒りもとっくの失せていて、この日は私達がお言葉に甘えて大阪の案内をしてもらおう……。
そう思ってせっかくの大阪観光を楽しんでいたら、通天閣で大阪の眺めを堪能している時に、なんと警察の本部長をしている服部くんの父親からの言付けによって捜査一課の坂田祐介さんが現れた。そして服部君の希望によってレンタカーを手配してくれて、色んな場所へ連れて行ってもらった。(余談だけど、服部くんは最初署内一番のパトカーにするつもりで当然怒られた。)
するとうどん屋からお好み焼き屋に行く時に誰かの視線を感じ、入店したそこでカウンター席に並んで座って、服部くんが席を外していた時。(普通の子供なら一人で座らせるのは危ないけれど、賢い子だし乗り降りも平気なようなので座らせた。)私の隣で不意に焦茶色の髪をポニテールで括った、不機嫌そうな女の子が腰掛けて来て、その子が肩肘をついて前を向いたまま私に声をかけて来たのだ。
和葉「あんたやろ工藤って……」
「「え?」」
和葉「平次にいっつも聞かせてもーてんで……あんたの事……。あんたが東都で平次を誑かした、「工藤」っちゅー女やっていう事はな!!」
