(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第34章 浪花事変(事件はないよ!!)
──────第三者side
やってしもーた。彼女がそう思った時には既に手遅れなぐらい騒ぎになってしまって、目の前の小さい子連れの少女が両手で顔を覆って涙を流していた。
それはとある大阪にあるお好み焼きが食べれる飲食店が現場となって、いたのは東都からやって来た毛利親子と江戸川コナン、彼らを大阪に招いた服部平次と、服部の幼馴染である遠山和葉。それに後から仕事の合間で入店して来た椎奈と、緑川唯こと変装中の諸伏景光も居合わせた。けれど偶然にも飲食店に集った彼らはほんの数分足らずで、空気が重たい昼食時間を迎える事になっていた。蘭はずっと「何で巻き込まれるのよぉぉ」と訴えながら号泣し、椎奈はそんな蘭を隣で宥め、大阪の二人とコナンはバツが悪そうに顔を俯け、小五郎は大阪の二人に呆れた眼差しを向けている。
椎奈「……で、一体どうして蘭ちゃんが泣いてるの?」
蘭の背中を摩ってあげている椎奈が誰にでもなくそう尋ねると、父親の小五郎が「ダブル探偵坊主とその嬢ちゃんがきっかけだ」と言って大きな溜息を吐き出した。すると大阪の男女二人が肩をビクリと震えさせて縮こまり、小五郎が大きな溜息を吐いて「W探偵坊主の事で嬢ちゃんが勘違いしてたらしい」と教えてあげた。
しかし厳密に言うならこの騒動は服部自身のやらかしに加え、何故かその場にいない工藤新一も理不尽ながら、少なからず原因となっていた。何その漫画みたいな間抜けの勘違い、と椎奈は話を聞いた後に呟いた。
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