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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第33章 黒の組織から来た女2



もちろん嘘や演技で俺の同情を煽ってる、そんな悪巧みも疑わなかったわけじゃないが、彼女の姉の話を聞いて衝撃を受けた。ついこの間、銀行強盗の罪を犯して亡くなった広田雅美さん……彼女はシェリーの人質にされた姉で、シェリーと組織から逃げる為に犯罪を実行したのだ。そして強盗自体は成功させたものの、大金を渡さなかった事でジン達によって殺された、その事を話した時のシェリーの底知れない憎悪に歪んだ顔と悲しみの目に、到底嘘だと思えなくなった。



灰原「だから私は組織の研究に反抗したわ、元々協力するのは嫌気がさしてたのよ……。あれは前任が医薬品を作るのが目的で開発したけど、組織に騙されて毒薬を作っていた……。貴方は私が使用禁止にしていたのに、無断で持ち出されは薬を飲まされた」

新一「は……?」

灰原「だから研究を断り続けて監禁されて、自殺しようと貴方と同じ毒薬を飲んだわ。何がどうあれ、私が最悪な副作用を持った毒薬を作ってしまって、犠牲者まで出してしまったもの……。そうしたら私まで幼児化したの、だから貴方の所に行く為に逃げ出して、工藤邸の前で阿笠博士に拾われた……。私がここにいるのは、そういう経緯があったからよ」



これを見て。そう言ったシェリーが指差したのが製薬会社炎上の記事で、更に己のら残酷な現状を淡々として突きつける



灰原「そこは私が関わっていた製薬会社よ、組織が研究の証拠を消すために燃やしたんだと思うわ。調べたら他の場所も全部、同じく放火で壊されてた……APTX4869のデータもね」

新一「はぁ?!それじゃあ解毒薬は作れねぇってことか?!」

灰原「いいえ、薬を何個か盗み出して来たからデータ解析は出来るわ。それと博士と貴方の家族にはきちんとこの事を打ち明けていて、私がここに居候して解毒薬を作ることは了承済みよ」

新一「……っ!!」



俺はもう一気に色々知って驚くしかなく、混乱や戸惑いのあまり絶句した。勝手に想像して恨んでいたのだ、毒薬を作った奴は相当な碌でなしの犯罪者だと思っていた。薬も紛う事なき未解決殺人を実行させる道具なのだと、その為に悪意を持って作られたのだと、ジン達への憎悪と犯罪の偏見で思い込んでいた。けれど実際に向き合えばどうだ、彼女達は組織に囲われていて犯罪を強制されていた。本人に悪意がなくても騙され、犯罪を余儀なくされた被害者だったのだ。
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