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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第33章 黒の組織から来た女2





博士が一旦落ち着いた俺をソファに座らせてくれて、向かいの目の前にシェリーと、その隣には博士が並んで腰掛ける。そして話し合うにあたってまずは新聞の切り取られた記事を三つ、何故か広田雅美さんの強盗事件と殺害されたものに加え、数日前の製薬会社炎上事件の記事を差し出された俺は訳が分からなかった。一体これらが彼女に何の関係があるのかと、再び雅美さんの事件を思い出して心が重くなって考える俺に、いよいよ顔を強張らせるシェリーが口を開いた



灰原「……さっきも言ったけど、私は貴方を傷つけたジンやウォッカと同じ組織の人間よ。私達は全員じゃないけど黒い服を纏っていて正式名称は不明、私は合法的に科学者となって薬の研究をしていたわ。コードネームはその中でも幹部級の人間に与えられ、ジン達も私も幹部扱いだったのよ。そして私が作ってた薬は貴方も飲んだあの、APTX4869という薬品だった」

新一「……っ!!って事は構成員には幹部も普通の奴も、他に仲間が大勢いるのか?!幹部だったお前が何でそこから抜け出した?!」

灰原「ごめんなさい……。悪いけど私は、流石に構成員を全員覚えてないわ」

新一「はぁ?何でだよ」

灰原「私はジンやウォッカ以外だと監視員やお姉ちゃん、研究員少数としか接触した事がないわ……。外出は全て監視付き、軟禁状態にされて、私と姉はお互いが人質だった……嫌々研究してたけど、姉が殺されたから自殺する気で薬を飲んだ……」

新一「自殺って……それに強盗事件?」

灰原「貴方も巻き込まれたから知ってるでしょう?広田雅美は強盗事件の後、組織にその失敗を理由に殺された……本名は宮野明美よ……」

新一「?!」



漸く黒ずくめの奴らと薬について知れる機会を得られ、思わず口角が上がるぐらいに歓喜した。これで元の姿に戻った奴らを捕まえられる、その為に確実に前進出来て胸中に燻る闘志はメラメラ漲っていく。当然、目の前の毒薬を開発したシェリーにドス黒い怒りが湧いていて、此奴があんな毒薬を作ったのかともう一度責めたくなった

けれど彼女は少し前まで組織に所属していて幹部の立場だった割に、ほんの僅かな情報しか知らなかった挙句、自分が毒薬を作った事実を心底悔いて懺悔しながら語っていた。幹部でも誰かの監視や軟禁で人質にされ、とても自分から望んで犯罪に染まった境遇ではない
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