(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第33章 黒の組織から来た女2
「これでもしお友達に何かあったら、今度は私達みたいにこの子達の親も不安で泣いて傷ついてしまうのよ?」そう言って俺達に依頼した俊也を目一杯怒ったご両親は、そんな恐ろしい可能性を知って号泣する俊也と一緒に「危険な事をさせてごめんなさい」と俺達に謝って。なのでこれ以上事件について追求するのは俺も子供達も罪悪感があり、その場で解散になった俺はそのまま灰原と一緒に帰路に着く
そして阿笠博士の家に着いた時、俺は自分より先を歩く灰原が阿笠邸の敷地を跨いだ事に思わず「……へ?」と間抜けた声を発する。だって博士の家に俺以外の子供が、俺に用がある今日に限って博士が招かれる意味がないからだ。けれど混乱している目の前で灰原はあろう事かランドセルから鍵を出し、玄関の鍵を開錠すると扉を開けて後ろで呆然としている俺へと振り返る。
灰原「……どうしたの江戸川くん、今日は博士に用があって来たんでしょう?入らないの?」
新一「え?ああ……お邪魔します……?」
取り敢えずフッと大人びた笑い方をする灰原に促され、博士の家に入ってリビングまで行くと灰原と一緒に帰った俺を博士が満面の笑顔で迎えてくれたんだが……
阿笠「おぉ〜、哀くんと新一はもう仲良くなったのかのぅ?」
新一「?!!」
灰原「いいえ、無理に決まってるじゃない。外じゃ誰かに聞かれるかもしれないし、私がした事は簡単に割り切って貰える話じゃないでしょう?」
阿笠「そ、そういえばそうじゃのぅ……」
新一「えっ、は……はぁぁぁあ?!」
俺は目の前の事実に訳が分からず絶叫した。何故か灰原と博士の会話に自然と混じった俺の本名、加えて秘め事を知ってる意味深なやり取り。これは要するに灰原哀が俺の正体、幼児化している事を知っていて、俺に対して何かしら問題を抱える発言もあった。どういう事かさっぱり分からない。
新一「お前……一体何なんだ……?」
灰原「APTX4869……」
新一「え?」
灰原「これ、何だか分かる?あなたが飲まされた薬の名前……」
新一「な、何いってんだよ?オレはそんな変な薬なんて……」
灰原「あら、薬品名は間違っていないはずよ。組織に命じられて私が作った薬だもの、あなたと一緒よ……。私も飲んだのよ、神秘的な毒薬をね」
そう言われた途端、俺は彼女が言わんとする事実に気づいて顔を強張らせた
