(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第32章 黒の組織から来た女1
椎奈「それって多分、混ぜて送ってしまった可能性があるかもしれないってこと?」
灰原「ええ。お姉ちゃんは旅行写真をディスクに入れて送ってくれてて、大学教授と一緒にデータを入れたらしいの。もしかしたら残されてるかも」
風見「ですが、あれほど用心深い組織です。ディスクにデータを入れた時、誤って紛失してしまって誰かに見られる場合を想定してるのでは?」
灰原「もちろんよ、組織支給のディスクはパスワードを入力しないと普通の文書ファイルなの。中身は確か薬のデータだけじゃなく、開発に携わった研究者達の実名と住所やコードネーム、出資者の名前も載ってたはず……」
風見「なっ、本当ですか?!」
灰原「……ええ。だからディスクは組織の施設のパソコン以外じゃ開けられない仕掛けなの、『闇の男爵(ナイトバロン)』って呼ばれるコンピュータウイルスがデータを抹消しちゃうの。それが仕組まれてるかもしれない」
風見「そ、そうですか……でしたら確認出来る時まで保管しておきます、ディスクの回収だけでもしておきましょう」
哀ちゃんが必死に考え込んで思い出した数年前の話を頼りに、風見さん達公安の刑事が再度明美さんから詳しく聞いてこっそりディスクを回収するしかない。こうして、いよいよ幼児化しちゃった志保ちゃんこと哀ちゃんと協力し、今後を新一共々無事に過ごさせる作戦が始まった───────
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阿笠「そう言う事なら任せとくれ、わしがその子を預かろう!」
椎奈「いやいや話振っといてなんだけど、もうちょっと悩んで決めようよ?!事の重大さ分かってる?!」
阿笠「危険は承知のうえじゃよ椎奈くん、連絡が取れる環境で薬の研究をする為にも此処は適しとる」
最早やっぱりと言うか、恐らく原作のようにお人好しすぎる博士が戸惑いながらも組織を裏切った少女と生活するのを了承。思わず判断が軽くすぎるのでツッコんでみれば、博士はちゃんと彼女に必要な物事を悟ってくれて、冷静に理解したからこその返事だった。出来れば今後もそういう対応でいてほしい……
そうして親切な博士と順調に交渉し終えた私は、今度は海外住まいの両親に哀ちゃんの事情を連絡。すると既に協力者故に公安と彼女に保護を同意していた父は兎も角、母は境遇に同情して博士と同居に賛成はするが不安もあるようだ。