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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第32章 黒の組織から来た女1



きっと公安に保護された時、明美さんと無事に再会させて姉妹が今後の生活と向き合い方を話せた結果だろう。哀ちゃんは極悪人じゃない、ときっぱりと否定すると息を呑むほど驚いていた。




椎奈「貴女と明美さんの事情は、公安から把握して良い範囲で聞いてます。本当は協力者同士でも重要機密なんて触れてはならないんだけど、亀裂を放置し続けて蟠りがあるままじゃ話ならないしね……。だからこうして貴女と喋れて安心出来たの、ちゃーんと信頼できる人だってね!」


灰原「信頼?毒薬を生み出した人間を?」




私達のやり取りに眦を下げて心配そうで、それでも口を挟まず沈黙している風見さん。哀ちゃんが自虐的な笑みを漏らして、過去の自分の行いを愚行のように嘲笑う。やっぱり彼女には新一が、一歩を踏み出させてくれる存在が必要だ。彼女はあの子に一度は責められて、赦されたから前を向ける様になったのだから。




椎奈「だからこそ、だよ。研究の第一人者だった貴女なら、誰より薬に詳しいでしょう?どんな薬も元は毒から作られるんだし、専門家じゃなきゃ安心して解毒薬を任せられないわ。しかも新一は組織を追って無謀な事するし、せめて組織の怖さと凶悪さを知ってる人が身近で注意してもらいたいの……」


灰原「そういえば弟君の監視も契約だったわね、相当危なっかしくて困ってるみたいってお姉ちゃんから聞いてるわ」


椎奈「あはははは、新一にとって無理もない状況なのは分かってるんだけどね……。あの子自身は元の姿に戻りたくて焦ってる、組織の影も見かけないから必死で悪気はないし……。ただ
、もうちょっと自分の為にも意地で強がらずに誰かを頼ってほしくて、最近やっと事件で周りに目を向けれるようになったのよ。そうやって新一は誰にも頼られて来た賢い子なの、心配性で不安になるけど……やっぱり姉として弟に信頼も誇りもある、才能が認められれば嬉しいわ」


灰原「……っ、」



思わず苦笑いで躊躇いもなく命懸けの無茶をしでかし、それでも正義のヒーローらしく困難を乗り切る痛々しくもかっこいい弟の事を語った時。最後は何だかんだで呆れも消えて頬が緩んでいたと思う。すると私の表情を見て何故かとても大きく目を見開いて、息を呑んで私を呆然と見つめる哀ちゃん。そんな彼女の小さな口が吐息のような小声をポツリと溢した
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