(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第31章 10億円強盗事件、後日談

別に博士が発明品を作って渡す事自体が悪いとか、そんな完全否定で責めているわけじゃない。博士は間抜けな振る舞いこそ多いけれど、その行動は優しさに溢れた故のこと。今回だって悔やんだ新一の意思を組みたくて、新一の力になろうと思って安全な発明品を作ってくれた事も分かっている。だから、だからこそ私達は、彼の善意と優しさに甘えて放任するわけにはいかないのだ
よって再び帰国した両親がコナンを阿笠邸に呼び寄せ、仕事が埋まって多忙な私は抜きに四人の話し合いが催されたそうだ。そこでどんなやり取りがあったかを聞いてみると、まずは博士が新一の為に身を守って犯人を拘束出来る術を与えてくれた感謝だった。そして次に発明品に使われた素材と効果を把握するので聞き出し、当然その発明に多大な出費と労力という負担があるので、両親がせめて材料だけは此方で消費したいと申し出た。『無償』で済ませるには重すぎる価値があるからだ
けれど博士は序盤で何度も断っていた、世間では商品認定され無い非売品だから金銭の受け取りは犯罪になると。しかし贈られた材料の使用は本人の自由になるし、発明品を商品として買うわけではないので、公安側からも工藤家には問題無いとお墨付きを貰っている。博士は父さんからの評価と大丈夫という言葉に安心し、今後作る予定だという予備の道具の費用や、点検・修理の分を当時両親が渡せる額で合わせて受け取ったそうだ
そして新一に関しては、博士に道具の発明を頼んで受け取った事は怒らなかったが、私達にも毛利親子にも報連相が出来てなかったのできちんとお灸が据えられた。そのうえ新一が博士から道具の使用法や大まかな機械の動作は聞いていて、肝心な部品と制作過程の経済的な話が一切無かった事が発覚する。因みに経済的にと言うのは、何も金銭だけじゃなくて機械部品とシステムの技術力も含まれる……
何せ阿笠博士の科学技術は研究者達が大勢になって担当するような物を、個人のラボで独自に構築するほどだ。ズバリ全ての道具の制作・維持に掛かってる金銭は億単位、技術は原作軸でも現在最新の物を便利でコンパクトに仕上げ、謂わば今の江戸川コナンを言い表すと。正に、『全身最先端の億単位コーディネートを着こなす、タダの小学生()』だ
控えめに言って装備項目がえげつない。新一はすぐに「へぇ〜すげぇ」から、「やべぇもん貰った」に心変わりした
