(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第29章 災難は凡ゆる形で襲い来る
そしてこの話での常識面で困った点は、服部君が新一との勝負に拘り過ぎて周りに横暴な態度を取ったり、探偵でありながらコナン君にお酒を飲ませ、他所の依頼について行ってしまうこと。他にも新一に関して言えば、体調が悪くてお酒も飲まされたのに限界を迎えるほどに無茶をし、命を狙われる立場なのに元に戻って姿を現したことだ……。確かに無茶を強いられる状況もあるんだろうけど、敢えて危険を顧みない選択しか出来ないわけでもない
更に毛利親子はお酒も相まって体調が悪いコナンを連れ、部外者だった服部君を事件や依頼から遠ざけられなかった。現場でコナンが倒れる時まで異変に気づかず、せっかく親戚の博士がいるにコナンを預けなかった事も良くない。つまりこの事件での新一騒動は、決してコナンだけが悪いんじゃなくて、皆の悪かった部分が偶然起こしたトラブルだったのだ
さてさて、どうして私がこんな話をするのかと言うと……。何と陣平くんから報告の電話が届いて、今日はその事件の捜査をしているんだと知ったのだ。しかも事前に情報提供しているおかげで展開が大きく変わっており、体調不良のコナンは現場から遠ざけられたり、原作よりも面倒見が良かった蘭ちゃんによって博士に連絡が入ったりした。すると飲酒や体調の悪化を聞いて心配な博士が毛利親子の頼みを聞き取り、コナンを迎えに来てくれたので工藤新一へと戻る前に退場となった……
加えて色々難ありだった服部君はと言うと、毛利親子や捜査一課の刑事達に散々やらかしたのを厳しく説教されたが、戻った新一が出てこなくても原作通りに推理を誤って陣平くんと航くんが事件を解決させたという。因みにこれを一緒に聞いた景光くんは無言を親指を立てたし、後に話を聞いた研二くんと零くんまでもが「っしゃおらー!」と歓喜の叫びをあげたらしい
そして陣平くんと航くんの嬉しい報告の後、恐らく姿が戻っているであろう新一からの電話もかかって来た。既に自宅に帰り着いていた私は電話に答える時にスピーカーに変え、盗聴器越しで話を聞いているであろう本堂さんと景光くんにも聞こえるようにした
椎奈「はい、もしもし?どうしたの新一」
新一《あっ、もしもし姉さん!やったぜ、聞いてくれよ!何でか分かんねぇけど、やっと元の姿に戻れたんだ!》
椎奈「わっ、ちょっ……うるさ!それにちゃんと説明なさい!」
